向山からイハイガ岳へ Mt. Mukai & Ihaigatake

 向山935mは、かつて千種街道沿いにあった「向山鉱山」にその名を残す峰で、一般登山道のない地味な山です。でも、その尾根は入道ヶ原〜水谷岳〜タイジョウ〜杉峠の頭と続く長い尾根と、竜王山〜綿向山の「竜王尾根」のちょうど真ん中に位置し、眺望を楽しむにはなかなか素晴らしい位置にあります。そして、その尾根を詰めていくと、イハイガ岳964mの手前に大きなガレが出迎えてくれる、ちょっとスリリングな、6時間程度の周回コースです。イハイガ岳からは大峠に下り、ツルベ谷を降りて千種街道で戻りました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

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山行写真
撮影日:2010/4/18 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



藤切谷の鉄塔の下あたりに駐車 @
車で藤切谷を登っていくと、頭上を二本の高圧線が横切っていきます。Uターンしてからその少し手前あたりに駐車し、少し戻って巡視路入口を探します。



巡視路の入口 A
この高圧線は中部電力のもの(伊勢幹線)なので、黄色い標識です。これを目印に登ります。



ヤマザクラ満開 A-B間
登りながら振り返ると、向かいの入道ヶ原の山腹のヤマザクラがちょうど満開ですごくきれいでした。



鉄塔を目指して A-B間
前方に鉄塔L159が見えてきました。まずはその足元目指して・・・



シハイスミレ A-B間
この斜面は日当りがいいので、スミレがたくさん咲いていました。矩が非常に長いので、シハイスミレでしょうか。



植林帯に入る A-B間
ここまでは切り開かれたところを登ってきましたが、やがて植林帯に入っていきます。



鉄塔下から入道ヶ原 B
尾根の中腹にある鉄塔L159に到着です。藤切谷を隔てて、入道ヶ原の全容が見えてきました。



尾根を登る B
植林の中をさらに登っていきます。



尾根上の鉄塔 C
尾根のてっぺんにあるL158鉄塔です。



鉄塔の向こう C
鉄塔の南側は、竜王山(右端)に向かって登っていく鉄塔群。



綿向山 C
そして、その左には綿向山1110mです。



向山 C
また、南東方向に目をやると、今から目指す向山の丸い峰が見えています。その右にはイハイガ岳の頭のてっぺん。



タムシバ咲く尾根 C
鉄塔下ではタムシバが満開でした。



その先の稜線 C
Cから東に向かいます。



次の鉄塔 D
やがて、次の鉄塔、R159が現れます。



水谷岳 D
こちらの鉄塔からは、水谷岳(カクレグラ)も望めます。



下る巡視路 D
Dの鉄塔のすぐ先で、巡視路はこのように尾根から外れて下っていきます。この先、踏み跡の薄い尾根芯(右)を進みます。



尾根の様子 D−E間
ハイウェイのような巡視路に別れを告げ、尾根道へ。踏み跡は薄いですが、尾根ははっきりしていて、迷う心配はなさそうです。



尾根の様子 D−E間
やがて東から南東に向きを変え、P790を登ります。



下る尾根 E-F間
EのP790を過ぎると、このような下りになります。コンパスで方向を確認して・・・



P888への登り E-F間
植林も終わり、きれいな二次林を登っていきます。なかなか歩きやすい尾根です。



向山を眺めながら F
FのP888に着きました。正面に向山が見えてきます。



最後の登り F-G間
きれいな二次林のまま、最後の登りを迎えます。



向山・山頂 G
標高935mの山頂です。三角点はありません。真中の木に「向山 九三五」って彫られています。



向山の先の尾根 G-H間
向山山頂から、尾根は一旦真東に向きます。その後、南に方向を変えますが、このあたりが迷いやすいポイントです。
写真のところまでたどりついたら、ひとまずは安心。右前方にイハイガ岳が出てきました。



イハイガ岳 G-H間
そのイハイガ岳964m。まだガレ場はほとんど見えません。



綿向山 G-H間
右手には、綿向山1110m。山頂部の笹原が手に取るように。



雨乞岳 G-H間
逆に、イハイガ岳の左手には、雨乞岳1238mが大きく見えてきました。左端が杉峠です。



タイジョウ G-H間
そして、その左には特徴的な形のタイジョウ1060mです。



イハイガ岳の北のガレ H
さらに近づくと、いよいよ荒々しいガレ場が見えてきました。北のガレです。まともに稜線を進めないことは確実ですね。



抜け道発見 H
さて、どうやって通過しようかと眺めていたところ、ガレの下を左手に向かう踏み跡を発見。あれで左への尾根に乗れば、何とかなりそうです。



ガレ場に近づく H-I間
もう少し先で左へ。



ここから左へ H-I間
こんな眺めのところから左へ下りました。



尾根の上から I
尾根の上に乗って、振り返ります。左の丸いのが、今越えてきた向山。右には水谷岳(カクレグラ)も望めます。その間の遠方は、日本コバ。



ガレを渡る I-J間
尾根の向こうも、まだガレは続いていました。最後に一箇所だけ、あの踏み跡に沿ってガレを渡る必要が・・・ちょっと嫌な所でした。



ミスミソウ I-J間
こんなガレ場の真中に可憐に咲いていました。



ガレ場脱出 I-J間
ようやくガレ場を通過しました。再びイハイガ岳の稜線です。紫色のイワカガミの葉がいっぱいです。



イハイガ岳の山頂 J
やがて、964mの三角点がある山頂に出ました。



綿向の笹原 J
山頂から、広大な笹原を望遠で。



大峠への下り J-K間
山頂から東へ。大峠に下ります。



雨乞岳を眺めながら J-K間
今度は右手にイハイガ岳南のガレをみながら下ります。正面は雨乞岳。



南のガレとイハイガ岳 J-K間
こっちも激しいガレです。



イワウチワ J-K間
ガレ場の上に、イワウチワの可憐な花が。



その先の尾根 J-K間
ようやくガレも落ち着き、きれいな尾根になりました。もう大峠はすぐです。



大峠 K
大峠へまで今は道も整備され、こんな看板までありました。一昔前の何もない大峠とは雲泥の差です。



ツルベ谷源頭部 K
大峠から下る方向(北)を眺めます。



ツルベ谷を下る K-L間
谷は荒れ気味ですが、赤いテープやレスキューポイントの看板などが定期的にあり、迷う心配はほぼなくなりました。



ツルベ谷の難所 L
谷幅が狭まり、以前はかなり難渋したポイントです。ここもいまはだいぶ通りやすくなりました。



藤切谷にかかる橋 M
最後、藤切谷にはこんな立派な橋が架かっています。以前の山行では気付かずにさらに川を下ってしまったところです。



古屋敷跡 N
やがて、千種街道の古屋敷跡に出ます。



ヤマザクラ N-@間
あとは林道をのんびりと、駐車地目指して歩きます。またまたヤマザクラの美しさに足をとめてしまいました。



山行記録:日時−2010年4月18日、天候−晴れ。9:50 高圧線下あたりの林道@に駐車後、巡視路へ、10:10 鉄塔L159B、10:25 尾根上の鉄塔L158C、11:50 向山・山頂G着。昼食後、12:05 山頂発、12:40 北のガレの手前H、13:20 ガレ場I、13:30 イハイガ岳・山頂J着。13:35 山頂発、14:15 大峠K、14:55 藤切谷の橋M、15:20 桜地蔵尊、16:00 駐車地@着。

 藤切谷周辺ではちょうどヤマザクラが満開の美しい季節でした。向山の尾根は、ずいぶん前から一度通ってみたいと思いながら、なかなかその機会がなく、この日まで延び延びになっていました。一つ、機会を遅らせた理由は、イハイガ岳の北側に広がる激しいガレ場が通過できるのかどうか少し心配だったことがあります。せっかくそこまで行って通過できなかったら、そこから藤切谷や登谷に下るルートもなく、またトボトボと同じ道で引き返すしかないのかな?という思いでした。さて、ようやく踏ん切りをつけてAから巡視路を登り始めました。このあたりはまだ尾根が低く、半時間も登れば、稜線に達しました。L158Cという鉄塔の下です。R159までは巡視路なので、よく踏まれた整備の行き届いた道。でも、その先の尾根は急に踏み跡がさびしくなりました。しばらく尾根は東向きですが70度くらい一気に曲がる箇所を過ぎると、南南東〜南東向きに。790m峰Eを越えると、右から別尾根を加えます。このあたりまでは植林が断続的に現れます。888m峰Fが近づくと、二次林が多くなり、なかなか歩きやすい良い尾根道でした。これは向山の山頂Gまで続きます。山頂から先、踏み跡は一旦消滅します。ここはコンパスをよく見て慎重に。案の定、一回変な方向に入ってしまい、10分ほどロスしました。南向きのよい尾根に入ると、再び歩きやすくなりますが、Hから南東に延びる尾根には要注意。ぼくもいったん完全に入ってしまい、下りが激しくなって、ようやく気付きました。Hからはほぼ南向きが正解です。さて、いよいよイハイガ岳の北のガレが近づきます。
 さて、北のガレは、稜線部がとくに登谷側に大きく崩壊し、とても稜線を伝っていくことはできそうにありませんでした。どこかで藤切谷側に少し降りて通過するのが妥当でしょう。そう思って見ているうちに、Iに北東から上がってくる尾根の手前に、そちらの尾根へ登っていく踏み跡が見つかりました。これをうまくたどって、尾根上のIに達しました。今度は、藤切谷側への崩壊部を、どうしても通過しなければいけませんでした。ここは、こわごわ体を山側に倒して、滑らないように気をつけながらなんとか通過しました。あとは、イハイガ岳への急な尾根をひたすら登るだけ。以上で、ガレ部を通過ですが、鈴鹿の中ではなかなかの難コースであることは確かです。
 あとは、イハイガ岳の山頂Jから大峠Kに下り、ツルベ谷を下って、千種街道へ。このルート、実はかつてかなり苦しんだことがありました。それは、2004年の清水頭からの下りで、当時は標識も少なく、ツルベ谷自体もずいぶん苦労して下り、さらに藤切谷に入ったのに気付かず、桜地蔵尊の手前まで、いくつかの砂防ダムを高巻きで越えながら岩だらけの河原を苦労しながら進んだというアホな体験です。しかし、今回はあまりに整備が行き届いてびっくりしたほど。千種街道の整備とともに、このルートにも手を入れていただいているようで、とくに藤切谷にかかる橋など、御蔭さまで迷う心配もなくなってきました。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(日野東部)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。