北岳、間ノ岳と高山植物   [広河原→白根御池小屋→北岳肩の小屋(泊)→北岳→間ノ岳→北岳山荘(泊)→八本歯ノコル→大樺沢→広河原]


2014年の夏は、全般的に天候不順と言える夏でした。8月の上旬には台風12号、11号に相次いで西日本が襲われ、お盆過ぎには広島市で大水害。北海道や東北でもそうとう降ったそうです。そんな中、8月16日の夜、北アルプスの表銀座から槍ヶ岳を目指して信州に入りましたが、天気図で前線が北アルプス上に長く居座り、荒れ模様が続きそうと判断し、急遽前線から離れた南アルプスに行き先を変えました。南アルプスの中でも、あまり事前調査せずに入れる山域ということで、かつて(1978年)来たことのある北岳と間ノ岳にしました。36年ぶりということに。でも登るルートは、かつては大樺沢を詰めたので、今回は白根御池→肩の小屋のルートをとりました。広河原に着いたのが朝の10時過ぎなので、北岳山荘まではちょっときついというのもありました。二日目は北岳と間ノ岳に登って、北岳山荘まで引き返して宿泊、三日目は八本歯・大樺沢ルートで下山という、比較的のんびりしたプラン。そのぶん、初日は亜高山帯と草すべりのお花畑、二日目は3000m稜線の花、三日目は北岳山荘・八本歯のトラバース道のお花畑と、大樺沢の花、というふうに、日々花の種類も様相も変わる高山植物に期待して登りました。写真後ろの番号は、最後のルートマップの番号と対応しています。

ルートマップへ


第一日目(広河原→白根御池小屋→北岳肩の小屋)
第二日目(北岳肩の小屋→北岳→間ノ岳→北岳山荘)へ
第三日目(北岳山荘→八本歯ノコル→大樺沢→広河原)へ

1978年の北岳・山行へ


周囲からの北岳、間ノ岳へ


撮影日:2014.8.17〜19 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



第一日目 (広河原→白根御池小屋→北岳肩の小屋)

広河原のバスターミナル @
関西人にとっては、なかなか遠い広河原。中央道から高遠を通って仙流荘入り、ここに車を置き、バス(8:05発)で北沢峠(9:10着)、そこで
バスを乗り継いで(9:45発)、ようやくこの広河原に着きます(10:20着)。仙流荘でバスに乗ってからでも2時間以上かかりました。



フジアザミ @
(キク科アザミ属)
早くもターミナルのすぐ近くに巨大なアザミ・フジアザミが咲いていました。花は子供の拳ほどの大きさがあります。完全に下を向くのも特徴です。



クサボタン @
 (キンポウゲ科センニンソウ属)
この辺は亜高山帯で、この辺の花は高山植物とはいえませんが、滋賀では伊吹山の山頂近くでしか見ない
クサボタンが、いっぱい咲いています。確かに標高はすでに1500mあり、1377mの伊吹山より高いわけです。



野呂川を渡って @-A間
10:30、吊橋で野呂川を渡って、いよいよ北岳を目指します。



針葉樹林の道 @-A間
登山道に入ったところの森です。針葉樹が中心。



レイジンソウ @-A間
(キンポウゲ科トリカブト属)
これも伊吹山の五合目あたりで咲く花です。トリカブトの仲間。



ジャコウソウ @-A間
(シソ科ジャコウソウ属)
麝香の香りがするからジャコウソウだそうです。



オヤマボクチ @-A間
(キク科ヤマボクチ属)
これもフジアザミと同様に、キク科の巨大な花、オヤマボクチです。もうちょっと咲くまでかかりそう。



白根御池分岐 A
広河原から25分ほど歩くと、白根御池分岐です。まっすぐ行けば、大樺沢。今日はここを右に曲がって、
白根御池を目指します。時計は10:57でした。「約3時間」という表記をだれかが「2〜2.5時間」と書き直しています。



登りが始まる A-B間
最初はのんびりした登りです。



レンゲショウマ A-B間
(キンポウゲ科レンゲショウマ属)
すぐに、レンゲショウマを見つけました。可憐な藤色の花です。玉のようなつぼみもついています。



小さな尾根を登る A-B間
痩せ尾根状のところを登っていきます。傾斜も徐々に急になってきました。天気も薄暗くなってきて、一雨来そうです。



オクモミジハグマ A-B間
(キク科モミジハグマ属)
登山道の脇には、キク科の地味な花がたくさん咲いています。これは奥紅葉白熊。適当に曲がった舌状花がユーモラスです。



オクヤマコウモリ A-B間
(キク科コウモリソウ属)
コウモリは、葉の形からきているそうです。



ザリコミ A-B間
(スグリ科スグリ属)
ふと見ると、真っ赤な果実が。山地のスグリ、ザリコミです。少し前まではユキノシタ科に分類されていたようですが、最近はスグリを科とするように変わったそうです。



オオバタケシマラン A-B間
(ユリ科タケシマラン属)
こちらも真っ赤な実です。



第1ベンチ A-B間
急登になると、ベンチも出てきます。たしかに、休憩せずにはいられません。標高は1800mは超えたかな?



急登 A-B間
あいかわらず針葉樹林のけっこうな急登が続きます。梯子も数箇所で架けてくれていました。下は第二ベンチあたり。もう2000mは超えた模様。



カニコウモリ A-B間
(キク科コウモリソウ属)
また、林床のキク科の地味な花、カニコウモリです。カニは葉の形から、コウモリは、属の名前からきています。



急登終わる A-B間
その先で、左に曲がると、なんとほとんど等高線に沿った道となっているじゃあないですか。疲れてきた体にはありがたいところです。
確かに地図を見ると、そんなルートです。標高的には白根御池より少し高く(2250m)まで登っています。あとはわずかに下がりながら近づくといったところ。




白根御池小屋 B
雨の中、御池の小屋に着きました。13:05です。確かに分岐から2時間と8分で着きました。標高は2230m。
しばらく休憩します。肌寒いくらいで、ソフトクリームは食べる気がしませんでした。




白根御池 B
小屋のすぐ先に池がありました。この日は濁っていました。



草すべり B-C間
さて、ここからは草すべりと呼ばれる斜面を登るルートです。残念ながらガスで上は見えませんが、なかなかきつそう。ただ、直射日光が無いので、その分は楽かも。



イブキトラノオ B-C間
(タデ科タデ属)
草すべりは草本の高山植物の宝庫です。まずはイブキトラノオ。日本アルプスどこでも見られますが、われらが伊吹山が名についた代表格でもあります。



ミソガワソウ B-C間
(シソ科イヌハッカ属)
ミソガワソウの特徴はラショウモンカズラのような点刻です。



センジュガンピ B-C間
(ナデシコ科センノウ属)
種類の違う高山植物が次々に現れます。これはナデシコ科のセンジュガンピ。



クガイソウ B-C間
(ゴマノハグサ科クガイソウ属)
紫の花穂と輪生する葉が美しいクガイソウです。



コバノコゴメグサ B-C間
(ゴマノハグサ科コゴメグサ属)
早くもコゴメグサが出てきました。3000mの稜線にも草すべりにも、両方に咲く花はそんなに多くありません。



タイツリオウギ B-C間
(マメ科イワオウギ属)
マメ科のイワオウギの仲間。花の基部が大きいタイツリオウギです。果実はずん胴で、イワオウギのように凹みません。



ヤナギラン B-C間
(アカバナ科ヤナギラン属)
草すべりのたくさんのシダや草にまみれて、ヤナギランが目立たず咲いていました。



オオハナウド B-C間
(セリ科ハナウド属)
端の花ほど花弁が大きいのが特徴のハナウド属。このあたりでは、葉の細いホソバハナウドも自生しているはずですが、この個体は通常のオオハナウドのようです。



タカネグンナイフウロ B-C間
(フウロソウ科フウロソウ属)
南アルプスのお花畑の常連の一つ、タカネグンナイフウロです。



ハクサンフウロ B-C間
(フウロソウ科フウロソウ属)
そしてさらにおなじみ、ハクサンフウロです。旬を過ぎたり、虫に喰われた花が多い中、ようやくきれいに咲いているのを見つけました。



キオン B-C間
(キク科キオン属)
黄色がよく目立つキク科の花。でも、よく似たハンゴンソウや次のマルバダケブキなども咲いているので、見分けに注意が必要です。



マルバダケブキ B-C間
(キク科メタカラコウ属)
こちらがマルバダケブキです。草すべりの上部では、ダケカンバの木とにこの花が一番目立ちました。



ダケカンバの林 B-C間
小雨は相変わらず降ったり止んだりです。草すべりも、上部に入りました。ガスの中、ダケカンバの木が目立ってきました。



トモエシオガマ B-C間
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)
ピンクの花が巴型に咲きます。シオガマギクといっても、キク科ではなくゴマノハグサ科です。



森林限界を超える B-C間
やがて、頭の上がぱっと開けました。ダケカンバが消え、草だけの世界。標高はほぼ2700mのようです。右上に、
北岳から小太郎山への稜線が現れました。花も様相が変わってきました。こんなところでも、鹿害が出ているようです。




ホソバトリカブト B-C間
(キンポウゲ科トリカブト属)
トリカブトの花が現れました。北岳だからキタダケトリカブト、というわけではなく、草すべりのトリカブトは、
ホソバトリカブトのようです。キタダケトリカブトは三日目、トラバース道でのお楽しみです。




エゾシオガマ B-C間
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)
3つ上のトモエシオガマの色違いで、クリーム色です。よく見ると、花のつき方も違います。



コウメバチソウ
(ユキノシタ科ウメバチソウ属)
高山帯での白い五弁花は、ハクサンイチゲ、チングルマ、そしてこのコウメバチソウが代表格でしょう。あとで見るチョウノスケソウもそうですね。



シナノキンバイ B-C間
(キンポウゲ科キンポウゲ属)
キジムシロ、キンバイ、キンロバイ、ダイコンソウ、キンポウゲの仲間など、黄色い五弁花も多いのですが、花の大きさですぐわかるのがシナノキンバイです。



二股からのルート出合 C
まもなく、左から大樺沢・二股からの登山道が合流しました。地図のCです。標高は2750m。



稜線への登り C-D間
ついにハイマツが出てきました。もうあの先が稜線のようです。



稜線出合 D
ついに稜線です。風が急に強くなりました。標高は2850m、時計は間もなく16時。



タカネツメクサ
(ナデシコ科タカネツメクサ属)
高山のハコベの一つです。



肩の小屋・到着 E
稜線を半時間ほど歩き、肩の小屋到着です。標高は3000m。16:35でした。広河原から休憩を含んで6時間。写真を150枚撮ったにしてはまあまあでしょう。





第二日目 (北岳肩の小屋→北岳→間ノ岳→北岳山荘)


北岳肩の小屋 E
上は、宿泊室、下は食堂です。テレビのデータ放送で、天気予報をずっとつけてくれていました。



テガタチドリ E
(ラン科テガタチドリ属)
ラン科の花です。ピンクの色といい、形といい、目を引く花です。



ヨツバシオガマ E
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)
のこぎりの歯のような4枚の葉と、鳥の嘴のように尖った花の先端が特徴的です。



北岳山頂へ出発 E
ガスの中、肩の小屋をあとに山頂に向けて出発。でも、天気予報によると、間もなく晴れ間が期待できます。



ハハコヨモギ E-F間
(キク科ヨモギ属)
こんな稜線にもヨモギの仲間が。これはヤマハハコハハコグサに似たハハコヨモギです。



タカネシオガマ E-F間
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)
3つ上のヨツバシオガマと同じように見えますが、嘴状の突起が尖らないのが違いです。よく、近くで咲いているので、紛らわしいです。




ムカゴトラノオ
(タデ科タデ属)
イブキトラノオに似ていますが、花穂の下部にムカゴがついているのが特徴です。



イブキジャコウソウ E-F間
(シソ科イブキジャコウソウ属)
名のとおり、確かに伊吹山でも咲いている花です。同じ種がこれだけ環境の違う場所に咲いているのも、不思議なものです。




最後の登り E-F間
標高も3150mを超えてきました。もう少し・・・。



チョウノスケソウ E-F間
(バラ科チョウノスケソウ属)
白い花が咲いていました。一見、チングルマに見えましたが、花弁が8枚、葉も違います。これがチョウノスケソウです。初めて会えて、感激しました。



北岳・三角点 F
山頂に着きました。まずは三角点です。三等三角点、点名は「白根岳」。標高は最新で3192.5m。近くの岩の上でなくても、四捨五入すると、3193mになっています。



山頂の看板 F
張り替えられた標高が面白いですね。天気予報どおり、薄日が差してきました。でも、眺望は残念ながら・・・。36年ぶりに来ましたが、やはり看板は代替わりしていました。

これが、36年前、1978年の看板です。

トウヤクリンドウ F
(リンドウ科リンドウ属)
山頂で咲いていました。高山で代表的なリンドウ科の花です。



タカネヒゴタイ F
(キク科トウヒレン属)
この花も山頂で撮りました。アザミに近いタカネヒゴタイです。シラネヒゴタイとも呼ば
れています。葉の形や頭花のつき方で、これらを別種とする考え方もあるそうです。



山頂をあとに F
皆さん、眺望が出ないかと心待ちにしていますが、なかなかそこまでは雲が取れてくれませんでした。



ミヤマキンポウゲ F-G間
(キンポウゲ科キンポウゲ属)
山頂の南側に入りました。ちょっと花の様相が変わった気がします。これはミヤマキンポウゲ。この
あたりにはキタダケキンポウゲも自生しているはずですが、時期も外れてか、会えませんでした。



ミヤマオダマキ F-G間
(キンポウゲ科オダマキ属)
ミヤマオダマキも、実は山では初めて見ました。下界の花壇のオダマキは、この種を改良したものなので、見慣れてはいますが・・・。



ミヤマウイキョウ F-G間
(セリ科シラネニンジン属)
白くて細かいセリ科の花の一つです。葉が細いのが特徴。



シコタンソウ F-G間
(ユキノシタ科ユキノシタ属)
高山に咲くユキノシタの仲間です。



北岳山荘 F-G間
北岳と間ノ岳の鞍部に建つ北岳山荘が近づいてきました。



キンロバイ F-G間
(バラ科キジムシロ属)
岩稜にへばりつくように黄色い花が。一見ミヤマキンバイなどと似ていますが、葉がまったく違います。キンロバイです。



間ノ岳 G
北岳山荘に着きました。しばらく休憩しながら眺めていると、ついに間ノ岳が姿を見せてくれました。



北岳 G
そして、振り返ると北岳です。左奥が山頂のようです。
この写真は縮小版ですが、画像クリックでフルスケール画像が見られます。
ダウンロードすると、壁紙(1920×1280)としてお使いいただけます。



八本歯ノコル G
山頂の右下に、明日通る予定の八本歯ノコル。



タカネヤハズハハコ G
(キク科ヤマハハコ属)
しばらく、北岳山荘周辺の花です。これはタカネヤハズハハコ。別名タカネウスユキソウ。ヤマハハコに似ていますが、葉はヘラ形で先端は尖ります。



ヤマガラシ G
(アブラナ科ヤマガラシ属)
高山に咲く、菜の花系の花です。ミヤマガラシともいうそうです。



オンタデ G間
(タデ科タデ属)
富士山でよく見られるタデです。



ハクサンチゲ G
(キンポウゲ科イチリンソウ属)
この花も高山の定番の一つ。北岳にもやはり咲いていました。



イワベンケイ G
(ベンケイソウ科イワベンケイ属)
8月の盆過ぎでは終わっていることの多いイワベンケイですが、この株だけはまだ黄色い花を見せてくれました。



ミヤマゼンコ G
(セリ科エゾシシウド属)
これもセリ科の白くて細かい花です。50cmぐらいの背丈、羽状複葉、袋状の葉柄、複数形花序が特徴です。



ミヤマアワガエリ G
(イネ科アワガエリ属)
高山のねこじゃらしとして知られる種です。穂には紫の小花がつきます。



ミヤマアキノキリンソウ G
(キク科アキノキリンソウ属)
これも高山では普通に見られる花です。



中白峰への登りから振り返る北岳 G-H間
山荘を出て間ノ岳に向かいます。



間ノ岳 H-I間
中白峰を過ぎたあたりから。ガスがまたちょっと沸いてきました。



チシマギキョウ H-I間
(キキョウ科ホタルブクロ属)
花周辺に毛が豊富なチシマギキョウです。



ミヤマダイコンソウ H-I間
(バラ科ダイコンソウ属)
黄色い明るい花が咲きます。葉を見れば、一目瞭然です。



シコタンハコベ H-I間
(ナデシコ科ハコベ属)
ハコベの仲間も数種類咲いていましたが、葉が三角形のシコタンハコベは、けっこう珍しい花です。



タカネニガナ H-I間
(キク科ニガナ属)
高山のニガナです。舌状花は9個前後。



間ノ岳・山頂 I
着きました。間ノ岳の山頂です。前回1978年にきたときにはちょうどここで雷に遭い、至近距離でバリバリやられ、生きた心地せず逃げ下りました。今回はゆっくりと。



間ノ岳の三角点 I
三等三角点、点名は「相ノ岳」、標高は2014.4に3189.5mとなり、四捨五入してついに3190mになりました。これで、去年登った北アルプスの奥穂高岳と同じ標高
(奥穂は三角点が無く、精密には測れない)になりました。つまり、ここも奥穂と並んで本邦第三位の高峰に。三角点の前の記述はまだ対応できてませんね。
ところで、「相ノ岳」ですが、だれかがこれを見て「ほんとうはこう書くんだ」とつぶやいてましたが、これが正しい漢字、というわけでは決してありません。
意味的にも「間」が正解でしょう。北アルプス・穂高の三角点でも書きましたとおり、明治時代につけられた三角点名は、かなりいい加減なのです。



もうひとつの山頂標 I
この標識、見覚えがあります。一昨年に悪沢岳、荒川岳、赤石岳で見たもの。製紙会社の
大井川上流部の社有林の説明標識です。そう、ここから南は、大井川水系なんですね。




北岳山荘に向かう I-H間
さて、山頂でのんびり過ごしましたが、残念ながらガスがしつこく、農鳥岳、塩見岳、悪沢岳、赤石岳・・・は
姿を見せてくれませんでした。しかたなく、今日の宿、北岳山荘にもどります。中央は中白峰3055m。




北岳山荘 G
玄関側です。裏から見たほうが立派です。



富士山 G
山荘の窓から。一瞬、雲の切れ目から富士の山頂部が。北岳山荘のすごいところは、部屋から富士山もご来光も見えるところです。






第三日目(北岳山荘→八本歯ノコル→大樺沢→広河原)


夜明け前の富士山 G
そして翌朝、朝焼けに富士山がくっきりと浮かびました。



ご来光 G
5:02、ご来光です。



ガスの中の富士 G
でも、安定して晴れてくれるわけではないようです。太陽が昇ると、すぐにガスがかかってきました。
この写真は縮小版ですが、画像クリックでフルスケール画像が見られます。
ダウンロードすると、壁紙(1920×1280)としてお使いいただけます。


トラバース道を行く G-J間
今日は北岳山荘から八本歯ノコルへ、稜線を通らずに直行できる「トラバース道」を使います。
ガスが濃く、おまけにすごい強風が右下から吹き上げてきます。北岳山荘を6:05出発。



タカネナデシコ G-J間
(ナデシコ科ナデシコ属)
このトラバース道トは、途中にお花畑があります。季節がよければキタダケソウも見られるところ。もちろん、今は無理ですが。



ミネウスユキソウ G-J間
(キク科ウスユキソウ属)
エーデルワイスの親戚の一つです。



ミヤママンネングサ G-J間
(ベンケイソウ科キリンソウ属)
これはベンケイソウの仲間。星型の黄色い花がきれいです。



タカネイブキボウフウ G-J間
(セリ科イブキボウフウ属)
またまたセリ科の白い細かい花。この種は、球状の花塊、紫のつぼみなどが特徴です。



キタダケトリカブト G-J間
(キンポウゲ科トリカブト属)
ついに、北岳の特産種、キタダケトリカブトに遭えました。背丈が低いのが特徴で、上の写真ではタカネナデシコやタイツリオウギと
同じ程度。トウヤクリンドウより低いのがわかります。下の写真では、もう一つの特徴である、細くて繊細な葉が確認できます。




タカネコウリンカ G-J間
(キク科キオン属)
タカネコウリンカは、キオンの仲間です。高山種でないコウリンカは、もっと舌状花が細くてか弱い花のようです。




キタダケヨモギ G-J間
(キク科ヨモギ属)
北岳の名を関していますが、固有種ではありません。銀色が特徴的なヨモギです。



難所を行く G-J間
このあたりは、岩が突き出て、傾斜も急です。梯子がたくさんつけられています。ガスが濃くなってきました。



稜線に出る G-J間
トラバース道分岐です。ここを直登すれば北岳へ。



八本歯の岩場 G-J間
鋭く尖った岩の脇を通ります。八本歯の一つでしょう。右は絶壁。そこから風が吹き上げてきます。



下りきると、コル G-J間
最後の長い梯子を下りきって、もうちょっとだけ進んだところが、八本歯ノコルでした。



八本歯ノコル J
7:02到着です。おばちゃんたちの団体が休憩されていました。広河原まであと三時間ほどです。



タカネビランジ J
(ナデシコ科マンテマ属)
南アルプスの固有種、タカネビランジです。ここ、八本歯で見たのが今回では最初で最後。




鳳凰三山 J
コルから、ほんの少し下がると、天候は激変しました。正面の鳳凰三山が、急に見えてきました。三山を左から順に見ていきます。
この写真は縮小版ですが、画像クリックでフルスケール画像が見られます。
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地蔵ヶ岳 J
天に突き出したオベリスクのある地蔵ヶ岳2764mです。その左は高嶺2779mです。右後方は、甲州の金峰山2599mでしょう。



観音ヶ岳 J
中央に、鳳凰三山の最高峰、観音ヶ岳2841mです。



薬師ヶ岳 J
右端は、薬師ヶ岳2780mです。右の砂払との鞍部に、薬師小屋があります。



大樺沢に出る J-K間
いくつかの梯子で急降下し、やがて、沢筋に下ります。大樺沢です。


モミジカラマツ J-K間
(キンポウゲ科カラマツソウ属)
針のように細い花弁(本当は雄蕊)を唐松の葉に見立てたカラマツソウ。葉がモミジに似ているのでモミジカラマツ。



バットレスを見上げながら J-K間
左上に北岳バットレスを見ながら下ります。



大樺沢の雪渓 J-K間
南アルプス最大の雪渓、大樺沢雪渓が出てきました。ずいぶんと融けています。



八本歯方向を見上げる J-K間
雪渓の脇から八本歯ノコル方向。きれいな青空が出てきました。



二股 K
北岳側から下ってきた雪渓と合流するところが二股です。8:30に到着。ここで、半時間休憩しました。



ミヤマハナシノブ K
(ハナシノブ科ハナシノブ属)
大樺沢が大群生地となっているミヤマハナシノブです。なかなかほかでは見られません。薄紫に、黄色い蘂がチャーミングです。



オニシモツケ K-A間
(バラ科シモツケソウ属)
二股を過ぎ、大樺沢も下部に入ってきました。亜高山帯の花に変わってきました。オニシモツケは山地〜亜高山帯に分布する多年草です。



コウシンヤマハッカ K-A間
(シソ科ヤマハッカ属)
カメバヒキオコシによく似ていますが、葉の先に亀のような形がありません。



右岸へ渡る K-A間
これまでずっと大樺沢左岸を下ってきましたが、ここで初めて右岸に渡ります。これは、2011年ごろに起こった斜面崩壊の影響。しばらく新ルートなのです。



赤いチャート K-A間
橋の上から見ると、大きくて赤い石が。これが赤チャートで、赤石山脈の名のいわれだそうです。



タマガワホトトギス K-A間
(ユリ科ホトトギス属)
山地〜亜高山帯に咲く黄色いホトトギスです。



クルマユリ K-A間
(ユリ科ユリ属)
花は下を向いてよく見えませんが、車の名のいわれとなった、輪生する葉がよく見えます。



ハンゴンソウ K-A間
(キク科キオン属)
キオンにそっくりなのですが、葉だけが大きく違います。



ソバナ K-A間
(キキョウ科ツリガネニンジン属)
もうアルプス以外のいろんな山で咲く花に変わってきました。このあと、左岸に渡りなおします。



キツリフネ K-A間
(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)
これも、滋賀、鈴鹿山脈や伊吹山地で咲いてる花です。さらにしばらく歩くとAの分岐に着きました。もう10分そこらで・・・・



広河原山荘 @
広河原山荘に着きました。10:32です。次の12:30の北沢峠行きバスまで、のんびりとビールでも。






MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(鳳凰山、仙丈ヶ岳、間ノ岳、)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。

1978年の北岳・山行へ



周囲からの北岳、間ノ岳


仙丈ヶ岳から見た富士山と北岳
標高No.1(3,776m)とNo.2(3,193m)の競演です。1998.8、仙丈ヶ岳より。




木曽駒ヶ岳からの白峰三山
左から順に北岳・間ノ岳・農鳥岳。そして富士。夜明け前のシルエット。2000.8、中央アルプス、木曽駒ヶ岳より。




富士山からの白峰三山と甲斐駒
火口縁に登ると、南アルプスが雲海上に頭だけ出していました。左から農鳥岳、間ノ岳、北岳。
少し間をおいて、尖っているのが甲斐駒ヶ岳。2001.8、富士山より。




中央自動車道からの北岳と間ノ岳
朝の駒ヶ根SA(上り)から、北岳(左)と間ノ岳。2001.10。





美ヶ原からの南アルプス北部
美ヶ原・王ヶ頭より。左から鳳凰山、甲斐駒ヶ岳、北岳、仙丈ヶ岳、間ノ岳。ほぼ中央で最も尖っているのが北岳です。2001.10。





大菩薩峠からの白峰三山
左から農鳥岳、間ノ岳、北岳。2005.4。




双子山からの北岳
甲斐駒ケ岳」より。2009.8。




双子山からの間ノ岳
甲斐駒ケ岳」より。2009.8。