悪沢岳、荒川岳、赤石岳   [椹島〜千枚小屋(泊)〜千枚岳〜悪沢岳〜荒川・中岳〜赤石岳〜赤石小屋(泊)〜椹島]


南アルプス南部を代表するこの三峰を、お決まりのルートで一周してきました。山中二泊で南ア南部のこれら巨大な名山達を周れるのはこのルートしかないでしょう。もちろん逆回りはありますが・・・。そんなわけで、悪沢や赤石に登るなら、たいがいのガイドブックやHPでこの周回ルートが紹介されています。でも、初日の登りで標高差を1500m以上、距離も9.5kmを稼がなくてはなりませんし、二日目は12kmの長丁場の縦走で、最後の赤石小屋への下りもなかなか厳しいルートです。アルプス・年一回の当方も、当然バテバテで、三日目を除いてはほとんど時間的余裕もなく周ってまいりました。でも、これらの山々の素晴らしさは、ちょっと表現しようもないほどですし、高山植物の質・量ともに、素晴らしいことも間違いありません(→悪沢〜赤石岳の花(高山植物)へ)。そんな魅力の一端でも紹介できれば、と思います。写真後ろの番号は、最後のルートマップの番号と対応しています。

ルートマップ
悪沢〜赤石岳の花(高山植物)

第一日目(畑薙〜椹島〜千枚小屋)
第二日目(千枚小屋〜千枚岳〜悪沢岳〜荒川岳〜赤石岳〜赤石小屋)へ
 千枚岳山頂からの眺望へ
 悪沢岳山頂からの眺望へ
第三日目(赤石小屋〜椹島)へ

山行写真
撮影日:2012.8.17〜19 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5、SMC Pentax FA100mm F2.8 MACRO



第一日目

畑薙第一ダムの夏季臨時駐車場
夏の間(7/16 〜 8/31)はここが駐車場となり、東海フォレストの椹島送迎バスも、この前の道が発着場となります。
東海フォレストの宿泊施設のいずれか1ヶ所以上に宿泊する場合、送迎バス(無料)に乗ることができます。



送迎バスの到着
8時便の臨時便を7:30に出してくれました。乗る前に施設利用金3000円を払います。山小屋料金の一部先払いです。



椹島 @
ちょうど1時間、バスに揺られると椹島に着きます。標高は約1100m。アルプスの登山基地としては低い方です。



滝見橋 A
東俣林道の滝見橋(右)のたもとが千枚岳方面への入口です。



吊橋 A-B間
やがて奥西河内を長い吊橋で渡ります。この川は、千枚岳、悪沢岳、荒川岳、小赤石岳までを水源とする大きな谷川です。



よく踏まれた登山道 A-B間
吊橋の先は、徐々に高度を稼ぐような山腹の道がしばらく続きます。ぼくの古い地図ではこのまま鞍部まで斜めに登るはずでしたが・・・



突然、急登に B
何年か前にその山腹道は崩壊し、Bからいきなり尾根に登る鉄塔巡視路が現在の
ルートになっていました。それで、この急登。とうぜん、一気に息が上がりました。




ようやく尾根に出る B-C間
半時間弱急登と格闘すると、ようやく登りは緩くなり、鉄塔の立つ尾根に出ます。時間の割にバテました。



岩頭の見晴し C
しばらくは尾根上のよい道ですが、その後、急に下り始めます。そんな途中に見晴し岩が。残念ながらお山は雲の中。この先も下って鞍部へ。



下の林道出合
鞍部から少し登ると、林道に出合います。少し右に歩いて、林道を離れます。



小石下
三角点があり、その後広葉樹植林の明るい森が続きます。




上の林道出合 D
再び林道をクロスします。



清水平の手前 D-E間
尾根の左側山腹の道がしばらく続きます。このあと清水平の手前から雷雨に遭いました。しばらくカメラは休みです。



標高2200mくらい? D-E間
蕨段と呼ばれる傾斜の緩い部分を過ぎて、また登りが厳しくなってきました。
この頃足がこむら返り状態でパンパンに。日頃からの栄養状態が悪いのかな?




美しい森
自然林のように見えますが、明治40年代にすでに伐採されたところだそう
です。雨は降ったりやんだりですが、雷鳴はずっと聞こえています。




駒鳥池 E
右手に苔におおわれた池が見えました。駒鳥池です。まだ小屋まで1時間と書かれていました。


千枚小屋 F
その後、雷鳴轟く土砂降りの中を何とか千枚小屋にたどり着きました。泊ったのは別館の「月光荘」(下)。両方翌朝撮った写真です。



千枚小屋・夕食
なかなか豪華でおいしかったです。ビールはもちろん生ビール!別会計ですが・・・。



第二日目



千枚小屋・朝食
朝もなかなかリッチでした。



朝の富士山(1) F
千枚小屋は、小屋の前から富士山が望めるという、素晴らしい環境です。夜半まで降り続い
たのが嘘のように、いい朝になりました。まだ薄暗いうちから富士山の姿は印象的でした。(4:46)




朝の富士山(2) F
ずいぶん明るくなってきました。日の出は近いようです。(5:04)
この写真は縮小版ですが、画像クリックでフルスケール画像が見られます。
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朝の富士山(3) F
少し寄ってみました。最高の瞬間です。(5:04)

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笊ヶ岳 F
富士山の右側には、双耳峰の笊ヶ岳2629m。農鳥岳から延びる長い長い尾根の峰です。その右は布引山2584m。



千枚小屋を出発 F-G間
5時半すぎ、お花畑の中を登り始めます。



千枚小屋上のお花畑 F-G間
黄色いのはマルバダケブキ、紫の花はホソバトリカブト。今回の山行の花はこちらをご覧ください。



笊ヶ岳と布引山 F-G間
ダケカンバの林を抜けて、周囲の山々が見渡せるようになってきました。



椹島を見下ろす F-G間
笊ヶ岳の右斜め下あたりに、昨日登ってきた尾根を見つけました。左下から写真中央方向に向かう尾根です。鉄塔が三本、
針のように見えています。その先の霧のかかる谷底のどこかが椹島です。右から左向きに急落する尾根は、明日下りに使う小赤石尾根。




上河内岳 F-G間
最初に見えた主脈の峰は、この上河内岳2803mでした。一つ手前の右から下る尾根は聖岳からの
聖東尾根で、さらにその手前が明日下る小赤石尾根です。赤石小屋の赤い屋根が確認できます。




聖、赤石、小赤石 F-G間
やがてその右に聖岳3013m、中央には午後には登るはずの赤石岳3121m、右端に小赤石岳3081m
が現れました。感動ものです;;。赤石をこんな近くから見るのは初めてです。これを見れるだけでも、来てよかった!!




赤く染まる赤石岳 F-G間
6時5分、一瞬、赤石岳がモルゲンロートに染まりました。神々しい瞬間です。
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千枚岳、山頂三角点と富士山 G
まもなく、千枚岳の山頂です。標高2880m。



千枚岳山頂Gからの眺望



千枚岳から、塩見岳 G
はじめて北側の景色が目に飛び込んできました。まずは南アルプスど真ん中の3000m峰、塩見岳3053mです。
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間ノ岳、北岳、農鳥岳 G
塩見の右手には白峰三山。ここからは中央左寄りに大きく間ノ岳3190m。右手前に特徴的な農鳥岳・西農鳥岳3051m。
そして、そのちょうど間から鋭い山頂部のみを見せているのが北岳3193mです。間ノ岳から
左へ稜線を追っていくと「返し」のように尖るのが三峰岳。その手前に塩見から延びる稜線上の蝙蝠岳。




槍・穂高 G
塩見の左には、はるか北アルプス南部。奥穂高岳(3190m)等の穂高連峰(左)と槍ヶ岳3180mです。


悪沢岳方面 G
そして、こちらが今から進む方向です。丸いのが丸山3032m。その左に悪沢岳の一角。まだ山頂は見えていません。



赤石・小赤石岳、荒川岳 G
その左手は、奥西河内上流の山々。右寄りが荒川岳(中岳・前岳)。大聖寺平を挟んで赤石岳。写真のほぼ中央に荒川小屋があります。






千枚岳と富士山 G-H間
千枚岳を出発し、小さな鞍部を過ぎると丸山の登りに。そこから振り返ったところです。千枚の山頂にたくさんの登山者が来ています。



鳳凰三山 G-H間
丸山付近から。農鳥岳から南に延びる尾根の上に鳳凰三山が現れました。中央が観音岳2840m。その右が薬師岳。左には地蔵岳のオベリスク。左端は高嶺。



聖岳、赤石岳、小赤石岳 G-H間
聖岳が赤石岳の方に近づいてきました。もうすぐ隠れてしまいます。
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北の全景 G-H間
塩見岳と間ノ岳の間に仙丈ヶ岳(左)と甲斐駒ヶ岳が見えてきました。かわりに、北岳は間ノ岳の後ろに隠れてしまいました。



悪沢岳 G-H間
丸山あたりで、初めて3141mの悪沢の山頂が現れました。


中央アルプス G-H間
中央アルプスの宝剣岳、木曽駒ヶ岳です。



悪沢岳への登り G-H間
丸山までは砂礫の道でしたが、ここからは岩だらけの道です。



大聖寺平、大沢岳 G-H間
赤石岳の右手に大沢岳2819m(中央後方)が見えてきました。その左には中盛丸山2807mです。
手前の鞍部周辺が大聖寺平。そこから小赤石岳への急登が。何時間後かに歩く道も見えています。




悪沢岳・山頂 H
標高3141mの山頂に着きました。右の標識は「荒川東岳」を採用しています。富士山が名残惜しそうに雲の中から眺めています。
そういえば、富士山、北岳、奥穂高岳、間ノ岳、槍ヶ岳の本邦No.1〜5の高峰がこれまで全て見えていました。そしてここがNo.6です。
ちなみに、No.7は、これから向かう赤石岳ですね。日本の高山の中核にいることが実感できる、凄いところです。たっぷり一時間くつろぎました。



悪沢岳山頂Hからの眺望

甲斐駒ヶ岳 H
ガスがかかってきましたが、まだその雄姿ははっきりと。



荒川岳(中岳・前岳) H
手前(右)のコブが中岳で、左が前岳です。二つに分けるほどのことはないような気もしますが・・・
そして、いまいる悪沢岳が、この荒川の東岳というのも、たしかに、座りが悪いって気がします。そんなわけで、
本HPではこちらを悪沢岳と呼んでします。中岳の手前に、三角屋根の荒川避難小屋があります。




塩見岳と仙丈ヶ岳 H
ここからはなんとみごとに重なります。ということは、仙丈-塩見-悪沢は一直線上に
あったんですねぇ・・・。さっきまで見えていた甲斐駒はもうガスの中です。




間ノ岳と農鳥岳 H
この写真は縮小版ですが、画像クリックでフルスケール画像が見られます。
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赤石岳 H
右手前の小赤石岳が、本峰とほぼ重なってきました。ぼーっと見てると、
一つの山のようです。左後方の聖岳も赤石にかなり隠れてしまいました。






振り返る悪沢岳 H-I間
悪沢をあとに、鞍部まで急降下します。荒川の登りは緩やか。振り返ると、ガスの中に悪沢の雄姿が見え隠れしていました。



荒川・中岳、山頂 I
登りつめると、標高3084mの山頂です。国土地理院の資料では、本邦13位の峰だそうです。三角点があります。



荒川・前岳、山頂 J
荒川小屋への下りを直進すると、すぐに前岳の山頂です。前方のロープの先の崩壊地は、のぞくと恐怖を感じるほどです。




荒川小屋への下り J-K間
分岐まで戻り、左へ下ると、このような山腹道です。この先、小屋との間に、素晴らしいお花畑があります。高山植物は、悪沢〜赤石岳の花(高山植物)へ。


荒川小屋と奥西河内・源頭 J-K間
右手に荒川小屋が近づいてきました。左の谷は、大聖寺平から下る、奥西河内の最上流部です。



荒川小屋にて K
ここも、新しくてきれいな小屋でした。



荒川小屋から見上げる小赤石岳 K
小屋でうどんを食べながら小赤石岳を見上げました。お昼前なのに、早くも夕立の気配。



近づく大聖寺平 K-L間
昨日に続いて雷が鳴り、雨も降ってきました。大聖寺平に向かいます。



大聖寺平 L
ここから、いよいよ小赤石への急登となります。



荒川岳と悪沢岳 M
小赤石の肩で突然ガスが晴れました。あきらめていた眺望が再び。北にはさっき歩いてきた、千枚岳(右端)、悪沢岳、荒川岳です。
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荒川岳 M
荒川岳は、ここからがベストショットでしょう。左の大崩壊も、すさまじさが感じられます。赤い屋根が荒川小屋。



悪沢岳 M
全景を初めて見せてくれた悪沢岳です。右端は千枚岳。
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荒川小屋俯瞰 M
荒川小屋と大聖寺平への道です。さっきはうどんを食べながらこの辺を見上げてたわけです。



小赤石岳と赤石岳 M
小赤石はもうすぐ先です。その右後方には赤石岳の本峰が。



小赤石岳の山頂 N
やがて、小赤石岳の山頂に着きました。標高は3081mです。ちなみに国土地理院の資料
「3000m以上の山」では、丸山、荒川岳の前岳とともに、独立峰とは見なされていません。




小赤石からの赤石岳 N
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小赤石岳から N
荒川岳と悪沢岳の間に間ノ岳、農鳥岳、前岳の左には仙丈ヶ岳も再び現れてくれました。



小赤石尾根 N
小赤石岳から南東に下る尾根です。途中に今夜泊る赤い屋根の赤石小屋。手前はラクダの背と呼ばれる、険しい尾根筋です。


分岐点から見上げる赤石岳 N-O間
赤石小屋への分岐点にザックをデポして赤石の山頂を目指します。



赤石岳・山頂三角点 O
標高3121m(2014/4/1改定、それまでは3120m)。一等三角点・赤石岳。ここが「最高標高一等三角点」です。



赤石岳からの聖岳 O
ガスの中、辛うじて聖岳が頑張ってくれていました。このすぐ後に、完全に消えちゃいました。



赤石岳の避難小屋 O
ここも、素泊まり可能です。でも、今日は赤石小屋まで頑張って下ります。



赤石小屋への下りから見上げる小赤石岳 O-P間
さっきの分岐でザックを担ぎ、赤石小屋へ下ります。このルートは険しすぎる小赤石尾根の上部(ラクダの背)を避けて、一旦赤石沢支流の
北沢源頭を下り、徐々に小赤石尾根に乗っていくルート。途中から、小赤石を見上げます。このあと本格的な雷雨となり、
カメラはお休み。一旦下った谷の底から富士見平へ登り返すルートは、朝から長い縦走をしてきた身体にはかなりハードでした。




赤石小屋にて P
またまたずぶ濡れになって17時過ぎ赤石小屋へ。今日の雨は、雨具で完全武装しても無駄なほど、激しい雷雨でした。



赤石小屋・夕食 P
今夜のメインは、豚肉の生姜焼きでした。



第三日目


モルゲンロートの赤石岳 P
赤石小屋の前からは、富士山は見えませんが、赤石岳はすごい迫力です。今朝は真っ赤に染まりました。



聖岳 P
そして、こちらは聖岳。
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上河内岳 P
その左には上河内岳2803m。



兎岳と中盛丸山 P
聖岳と赤石岳の間には兎岳2818m。その右は中盛丸山です。



荒川岳と悪沢岳 P
半逆光ですが、小屋の南の見晴らし場からはこの二峰も。



赤みが引いてきた赤石岳
さっきの真っ赤な色は薄れましたが、今度は青空が冴えてきました。
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赤石小屋前にて P
赤石小屋前で出発の準備をする人々。



見納めの赤石岳 P
6時、いよいよ出発。このあとは樹林の尾根を下るので、赤石岳も今回はこれで見納めでしょう。何回見てもいい山です。



小赤石尾根を下る P-Q間
どんどんと下っていきます。


光あふれる森 Q
やっぱり下りは快適です。でも、山を下りてしまう一抹の淋しさも・・・



小赤石尾根の下部 R
林道跡を過ぎてさらに下ったあたりです。標高は1800mぐらい?だいぶ林相も変わってきました。



再び、椹島 @
9時半過ぎの到着でした。10時半のバスで畑薙へ。なお、バスに乗るには山小屋の領収証が必要です。



畑薙湖
バスの車窓から。堰堤は、畑薙第一ダム。帰りは畑薙第一ダム夏季臨時駐車場から
車で10分ほどの赤石温泉・白樺荘で温泉と昼食。お決まりのコースのようです^^




MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(塩見岳、赤石岳)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。