悪沢岳、荒川岳、赤石岳の高山植物   [椹島〜千枚小屋(泊)〜千枚岳〜悪沢岳〜荒川・中岳〜赤石岳〜赤石小屋(泊)〜椹島]


悪沢岳、荒川岳、赤石岳の山行(2012.8.17-19)で出会った高山植物の花です。椹島は標高わずか1100mなので、亜高山どころか低山の花も咲いていますし、山頂は3100m余りで、高山帯独自の世界です。その間には針葉樹林の森林もあり、広い範囲の花が見られます。でも、やはりここのルートでの見どころは、千枚岳付近のタカネマツムシソウ、白い花のタカネビランジ。荒川岳・荒川小屋間のみごとなお花畑などでしょう。そのときの山行写真はこちらへ。写真後ろの番号は、最後のルートマップの番号と対応しています。

ルートマップ


第一日目の花(畑薙〜椹島〜千枚小屋)
第二日目の花(千枚小屋〜千枚岳〜悪沢岳〜荒川岳〜赤石岳〜赤石小屋)へ
第三日目の花(赤石小屋〜椹島)へ


撮影日:2012.8.17〜19 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5、SMC Pentax FA100mm F2.8 MACRO



第一日目の花

フシグロセンノウ @
(ナデシコ科センノウ属)
登山基地・椹島周辺に、かなりの数が咲いていました。オレンジの目立つ花がバスの窓からも見えたほど。



シナノナデシコ @-A間
(ナデシコ科ナデシコ属)
滝見橋へ向かう林道の脇に咲いていました。野生の撫子としては珍しく、園芸種のセキチクのように平らな花弁です。



シャクジョウソウ D-E間
(イチヤクソウ科シャクジョウソウ属)
登りの尾根は樹林帯の道です。花はあまり目につきませんでした。そんな中でD-E間の蕨段で見かけたのがこのシャクジョウソウ。錫杖のように先が
曲がっているのでこの名前です。ギンリョウソウとよく似ていますが、ギンリョウソウほど白くなく、また一本の枝に数個の花がつくのも特徴です。



第二日目

千枚小屋周辺のお花畑


ミヤマシシウド F
(セリ科シシウド属)
千枚小屋近くで。白い細かい花は多くの種類があります。同定はなかなか難しいですが、
線香花火のような花付き、紫に変色する茎などからミヤマシシウドとしました。




マルバダケブキ F
(キク科メタカラコウ属)
この周辺で一番多かったかも。葉はフキにそっくりです。花弁に見える舌状花が10個程度あります。



ホソバトリカブト F
(キンポウゲ科トリカブト属)
千枚小屋周辺のお花畑で、マルバダケブキとともによく目立っていました。



ダケカンバ F
千枚小屋のお花畑も上部に行くと、ダケカンバが多く見られました。

千枚岳山腹


シナノキンバイ F-G間
(キンポウゲ科キンバイソウ属)
数は多くはありませんでしたが、時折シナノキンバイが単独で咲いていました。



コバノコゴメグサ F-G間
(ゴマノハグサ科コゴメグサ属)
南アルプスのコゴメグサは、コバノコゴメグサ。稜線周辺に広く、多く分布していました。



ヤマブキショウマF-G間
(バラ科ヤマブキショウマ属)
トリアシショウマかと思いましたが、葉の先端の尖り、葉脈の平行性などからヤマブキショウマでは?



ミヤマアキノキリンソウF-G間
(キク科アキノキリンソウ属)
この花も今回の山行を通じて、稜線ではよく見ました。




コメススキ F-G間
(イネ科コメススキ属)
イネ科の高山植物です。地味ですが、よく見ると味があります。



タカネグンナイフウロ F-G間
(フウロソウ科フウロソウ属)
下向きに咲くフウロ草。かがんで撮らないといけないので、疲れます!?



クルマユリ F-G間
(ユリ科ユリ属)
やはりこの花があると、周りが明るくなるような錯覚を覚えます。


千枚岳・山頂付近


ミヤマオトコヨモギ F-G間
(キク科ヨモギ属)
なぜ「男」なのかはわかりませんが、開ききることのない花と、葉が特徴的。ここから先はとうぶん、稜線上の花です。



オンタデ E
(タデ科オンタデ属)
標高2800mを超えてきました。富士山でもよく見られるオンタデです。花が赤く染まっているので、メイゲツソウと呼んでいいかも。


千枚岳・山頂

イワベンケイ G
(ベンケイソウ科イワベンケイ属)
いよいよ山頂です。岩の間からイワベンケイが。これから実を結ぶ雌株です。


千枚岳〜悪沢岳


タカネマツムシソウ G-H間
(マツムシソウ科マツムシソウ属)
千枚岳から悪沢岳方面に少し行ったら、突然この花が群生しだしました。それまでは全く
見なかったのに。ぼく自身は2004年に北アルプスの秩父平で逢って以来。久しぶりです。



タカネナデシコ G-H間
(ナデシコ科ナデシコ属)
ちょっと雨で傷んじゃってますが。



タカネビランジ(白花) G-H間
(ナデシコ科マンテマ属)
南アルプスでしか咲かないタカネビランジ。鳳凰山では薄いピンクの花ですが、ここではほとんど白いのが多く見られます。



イブキジャコウソウ G-H間
(シソ科イブキジャコウソウ属)
伊吹山からこんな高山まで、同じ種で自生する、不思議な種です。




タイツリオウギ G-H間
(マメ科イワオウギ属)
マメ科の白い花は、後で出てくるイワオウギが普通なのですが、これはちょっと感じが違います。タイツリオウギのほうでしょう。



タカネビランジ(ピンク) G-H間
(ナデシコ科マンテマ属)
これは、鳳凰山で見られるように、薄いピンクでした。



タカネイブキボウフウ G-H間
(セリ科イブキボウフウ属)
また白いセリ科の花です。ニンジンのような葉や紫の蕾の特徴から、これはタカネイブキボウフウでしょう。



チシマギキョウ G-H間
(キキョウ科ホタルブクロ属)
岩の隙間に根を張って、たくましく咲いていました。花に長い毛があります。



タカネコウリンカ G-H間
(キク科キオン属)
キク科の花で、一見ノゲシが高山化したものかと思いましたが、よく見ると花の形やイメージは随分と違いますね。



キタダケヨモギ G-H間
(キク科ヨモギ属)
銀色の葉をもっています。さっき千枚岳付近で見たミヤマオトコヨモギとは、花は似ていますが、葉が全く違います。




イワオウギ G-H間
(マメ科イワオウギ属)
こちらが、イワオウギです。少し前に見たタイツリオウギとは、確かにずいぶん感じが違います。花の柄の長さや色が特に。



ミヤマダイコンソウ G-H間
(バラ科ダイコンソウ属)
株は少なかったですが、ここにも咲いていました。



ハイマツの実と赤い花 G-H間
(マツ科マツ属)
悪沢岳の山頂が近づいたあたりでのハイマツに、真っ赤な花がついていました。


悪沢岳山頂



タカネシオガマ H
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)
ヨツバシオガマに似ていますが、嘴のような尖った部分がありません。上は、イワツメクサと一緒に。



イワツメクサ H
(ナデシコ科ハコベ属)
そのイワツメクサをマクロでアップ。花だけだと、下界のハコベによく似ています。



クロトウヒレンH
(キク科トウヒレン属)
マクロでみてみると、雄しべの先端がくるりと曲がっているのがよくわかります。


ミヤマアキノキリンソウ H
(キク科アキノキリンソウ属)
この花も、マクロで見てみると、ずいぶんイメージが違ってきます。ほとんどが筒状花だったんですねぇ。



シコタンソウ H
(ユキノシタ科ユキノシタ属)
北岳で見て以来、久しぶりに逢えてうれしいです。花弁の先の微妙な模様はなかなか撮りづらいです。



イワベンケイ H
(ベンケイソウ科イワベンケイ属)
千枚岳でも山頂にありましたが、ここ悪沢岳のてっぺんでも、雌株が果実を大きくしていました。

悪沢岳〜荒川岳



クモマベニヒカゲ H-I間
(タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科)
アルプスではよく見かけるのですが、本州中部山岳地帯と北海道の大雪山系にのみにしか分布しない高山蝶だそうです。



ミヤマミミナグサ H-I間
(ナデシコ科ミミナグサ属)
花弁が1/3くらいまで、4つに切れ込んでいます。まるで、花弁が20枚あるようです。



ミヤマウイキョウ H-I間
(セリ科シラネニンジン属)
またまた白くて細かい花ですが、葉が糸のように細いので、見分けられます。


シコタンハコベ H-I間
(ナデシコ科ハコベ属)
花はハコベの花で、イワツメクサとも見分けがつきませんが、よく尖った三角形の葉は全く違います。この株だけしか見ませんでした。

荒川岳〜荒川小屋



ミヤマホツツジ J-K間
(ツツジ科ホツツジ属)
象の鼻のような上を向く雌しべが特徴的なミヤマホツツジです。



タカネヨモギ J-K間
(キク科ヨモギ属)
キタダケヨモギのような銀色の葉ではなく、葉は普通の色をしています。



カンチコウゾリナ J-K間
(キク科コウゾリナ属)
タンポポによく似た花をつけます。葉や茎には剛毛があって、ざらつきます。


テガタチドリ J-K間
(ラン科テガタチドリ属)
高山のランの仲間です。ハクサンチドリと似ています。



ミネウスユキソウ J-K間
(キク科ウスユキソウ属)
ウスユキソウの中ではシンプルなイメージの強い花です。



ネバリノギラン J-K間
(ユリ科ソクシンラン属)
一年前の薬師岳への太郎尾根でいっぱい見た花です。こちらでは、ここでのみ。



ハクサンフウロ J-K間
(フウロソウ科フウロソウ属)
やはり、アルプスではこの花を見ないと落ち着きません。


イワインチン J-K間
キク科キク属)
インチンはヨモギの意味だそうです。葉は似ていますが、花は黄色くてかわいらしい花です。



ミソガワソウ J-K間
(シソ科イヌハッカ属)
近くでじっくり見たのは初めてです。よく見ると、ラショウモンカズラのように、斑点模様が鮮やか。



オヤマリンドウ J-K間
(リンドウ科リンドウ属)
北アルプスではよく見るのですが、今回見たのはこの株のみ。



トモエシオガマ J-K間
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)
花が巴状になっているのでこの名前。わかりやすいですね。




イブキトラノオ J-K間
(タデ科タデ属)
千枚小屋の上から、あちこちで見たのですが、ちゃんと撮るのがすごく難しい花です。今回、何枚撮っても満足なのは撮れませんでした。



コウメバチソウ J-K間
(ユキノシタ科ウメバチソウ属)
荒川小屋の裏で咲いていました。蟻さんがお食事中のようです。

赤石岳周辺



トウヤクリンドウ L-M間
(リンドウ科リンドウ属)
小赤石岳の登りで。雨模様なので、開いていません。



ヒメシャジン O-P間
(キキョウ科ツリガネニンジン属)
北沢源頭付近で。いよいよ雨が強くなってきました。この下にもお花畑はありましたが、雨のせいで写真は撮れませんでした。



第三日目


赤石小屋付近で



ハクサンシャクナゲ P
(ツツジ科ツツジ属)
赤石小屋から三角点に向かう道で。



コバノイチヤクソウ P
(イチヤクソウ科イチヤクソウ属)
薄暗い林床なので、たいがい撮りづらい花です。ISO感度を1600に上げて・・・。やはり荒れてますね^^。

小赤石尾根の下りで



カニコウモリ P-Q間
(キク科コウモリソウ属)
葉の形がカニに似ているので。じゃあコウモリは?


シャクジョウソウ Q
(イチヤクソウ科シャクジョウソウ属)
登りでも出逢った不思議な花です。薄暗い所に咲いているので、三脚がないと、まともに撮れない花です。




MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(塩見岳、赤石岳)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。