岳、旭山と山ノ神峠   Mt. Dake, Mt. Asahi and Yamano-Kami Pass

永源寺ダムの上流で愛知川が御池川と茶屋川、神崎川に分かれるあたりから始まり、土倉岳・御池岳へと続く長い尾根があります。御池川と茶屋川を隔てる尾根でもあります。この尾根の末端に聳えるのが岳(だけ)。下から見ても凛々しい峻峰です。尾根を御池方面に辿れば、やがて旭山があります。今回は黄和田の集落にある日枝神社から歩き始め、岳に直登した後、稜線を進んで旭山まで。山の神峠まで引き返し、廃道となっている峠の谷路を下ってみました。ここは下にも書きますようになかなか厳しい廃道でした。写真の番号は、ルート・マップの番号と対応しています。


R179、L179、R181鉄塔からの眺望へ

L182鉄塔からの眺望へ

今回のルート・マップへ

黄和田城址・岩谷三社の歴史看板へ


山行写真
撮影日:2005/11/23 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax *istDS2、レンズ: SMC Pentax DA18-55mm F3.5



日枝神社 @
黄和田集落にある日枝神社です。綺麗に手入れされた神域から、地元の人々の強い信仰心が伺えます。
このあたり、1/25000地形図に309mの標高点があります。



神社前から見上げる岳 @
古くから黄和田集落の信仰を集めてきた「岳」、いえ、かつては「嶽」と書かれる方が多かったかも。今からのルートは、
鉄塔の立つ手前の尾根の向こうの谷の山腹を通ります。鉄塔のルートもあるようです。




黄和田(黄蘗)城址 A
戦国時代・京極氏の城跡です。八風峠や石榑峠という交通の要衝を抑えるには良い立地だったのでしょう。



登山口の大杉 B
城跡の一番奥あたりで大杉が立っています。左の立て札には、「岩谷三社案内・一・天之水分神(大杉)・
八大竜王神(祭祀)・平成七年嶽より遷宮」などと書かれています。看板はこの頁の最後に載せました。登山道は右の立て札の右を上へ。




登山口の登山道 B
大杉の手前で、右を向いたところです。ここを登っていきます。
この道は中部電力の鉄塔巡視路でもあるので、ところどころに黄色い巡視路標識が立っています。




その先の登山道 C
しばらくは左に谷を見ながら、登っていきます。



少し荒れてきた登山道 D
良い道が続いた後、まず右に鉄塔巡視路を分けます。これを行けば
下から見上げた鉄塔の尾根づたいのルートでしょう。今回はまっすぐ進み、
やがて右斜め上からのガレの崩落で荒れた谷状の地形にでます。



巡視路分岐・ガレ沢の取り付き E
この白っぽい二本の木、実は「鈴鹿の山風」さんのHP(2002/12/23の山行)で見かけました。
同じ場所で同じ木を撮るなんて偶然ですねぇ・・・・。
このあたりで黄色い標識があり、巡視路は左に離れていきます。今回は右のガレ沢を直登します。



ガレ沢の登り F
このガレ沢は、道なのかただの沢なのか、はっきりしないですが、まあガレの筋に沿って登れば、迷うことはありません。
ただし、勾配は相当なものです。写真では表現できませんが・・・・。木の幹に頼らないと登れないほどの所も
多くあり、しかもガラガラのガレ場続き。どうしても落石を伴います。今回は一人だから良かったものの、後続があれば、
上下に並んで登らない等の、注意が必要になります。




紅葉 F
木々の間から時折美しい紅葉が眺められました。また振り返れば時折、日本コバも見えていました。



ようやく山上台地に G
急な傾斜にあえぐこと約45分、やがて傾斜が緩くなってきて、ついに山上台地に乗りました。




山上台地にて G
何とも気持ちのいいところです。秋の落葉の絨毯に覆われて静かに、しかも光にあふれて。



ヌタ場 H
岳の山頂台地には、下から見上げた鋭峰のイメージとは裏腹にヌタ場がいくつかあるようです。獣たちの足跡もいっぱいありました。


岳・山頂 I
ヌタ場の先、少し登ると、三角点のある岳山頂です。標高は781m。眺望はありません。




子鹿
岳の山頂からしばらく北に向かって歩いていると、子鹿が近くを行ったり来たり・・・。
親からはぐれて迷っちゃったのかな?ぼくは鹿じゃないよ!馬鹿ですが・・・?




岳を下る J
岳を北に下る道です。右は植林、左は二次林と、きれいに分かれています。




鉄塔R179 K
やがて、鞍部で左下からの巡視路と合流すると登りになり、登りきると鉄塔に出ます。R179のようです。




R179、L179、R181鉄塔からの眺望


静ヶ岳 K
まずR179下の広場からの眺望です。まず東に聳える静ヶ岳。
静はここからの姿が堂々としていて最高です。左の肩から頭を出すのは銚子岳。左端は藤原展望丘。




竜ヶ岳 K
その右に竜ヶ岳。右へ下がって石榑峠。R179から。



岳の山頂部 K
そして、南を振り返ればさっきいた岳の山頂です。R179から。



日本コバ K
南西には御池川の谷をはさんで日本コバ。う〜ん、やっぱり平たい!R179から。



762m峰 L
北西方向には762mの無名峰と右後ろにアカイシが重なっています。L179から。



東山 L
そしてその右には、この稜線から西に派生した尾根にある東山。L179から。



天狗堂 L
ほぼ真北に天狗堂。その左にサンヤリが。天狗堂の右後方は鈴ヶ岳〜鈴北岳。L179から。



御池岳 M
北北東あたりに御池岳が見えました。R181から。



冷川谷の頭と藤原岳 M
ぐるっと一周回って最後は北東。鉄塔の並びの先に、冷川谷の頭。その右が藤原岳の最高峰・天狗岩。右端は藤原展望丘。R181から。





山ノ神峠 N
やがて山ノ神峠に着きました。L181鉄塔のすぐ横です。かつて、御池川沿いの政所と
茶屋川沿いの焼野や茨川を結ぶ生活道だったようです。



L182鉄塔からの眺望


岳と黒尾山 O
山ノ神峠から北に向かい、最初の鉄塔L182の下がまたまた好眺望です。いま来た方向を振り返ると、
左前方に尖った岳、その右後方は黒尾山です。右下の先だけが見える鉄塔が山ノ神峠の鉄塔L181。



割山と不老堂 O
ほぼ南に割山(左)と不老堂。その間の後方には御在所岳。右後方はイブネ。割山の左後方は釈迦ヶ岳。




三池岳〜釈迦ヶ岳とミズナシ O
南東です。中央左寄りに三池岳。中央右寄りに北仙香山と仙香山。そして右端には釈迦ヶ岳の一部です。手前はミズナシ。



静ヶ岳 O
あまりに素晴らしいので、再び静ヶ岳。上のR179からの時より、さらに鋭鋒のイメージですね。





旭山への稜線1 P
広い稜線です。時折、ヌタ場や小池が現れます。




分岐に立つ石仏様 Q
少し登って、左からの稜線と出合います。ここが東山方面との分岐のようです。
松の木の下で、石仏様がじっと見つめておられました。



オオイタヤメイゲツの紅葉
稜線上で真っ赤になっていました。




旭山の山頂 R
気持ちのいい稜線を歩いているとなんとなく標石のある広場に出ました。ここが旭山の山頂です。
広場や標石がなければ、まず素通りしそうな場所でした。



山ノ神峠から下る N
廃道とは知りつつも、峠道を下ってみたくなりました。まず、鉄塔L181の下をくぐって行きます。




山ノ神 S
峠の名前の由来ともなっている山の神の祠と石仏様です。このあたりから道は荒れてきます。



谷筋に出る
やがて左上から流れてくる谷に出ます。このあたりが大きく崩壊しており、道は完全に消えています。
しかたなく、岩をつかみながら滝壺へと下ります。よく滑ってかなり危険です。




この滝も右岸を滑りながら降りてきました。




崩壊跡
左岸が崩壊してきていますが、右岸にも渡れず。写真ではあまり感じは出ませんが・・・
結局、斜面を横滑りしながらまっすぐ進みました。なんとか落ちずには済みましたが、
この廃道、良い子のみなさんにはお勧めできませんね^^



大堰堤1 S
なんとか大堰堤が見えてきました。ヤレヤレ。でもすごく馬鹿でかいです。さて、これどうやって越えよう??




大堰堤2 S
あの水が流れているところをツルツル滑りながら出てきました。でもまた一難。先は断崖だ!
なんとか向かって左のグリーンの斜面に乗り移ってここまで降りてきました。今度こそヤレヤレ・・・
ちなみに右の段々は階段のように見えますが、巨人用のようで、人間の足ではとても届きません。

というわけで、なんとか下ってきましたが、宮の谷は確かに廃道。歩くもののことなど全く考えられずに
大堰堤が作られていました。谷を下ってくる人(モノズキ)なんか、無視ってことなんですね?




宮の谷の紅葉
大堰堤からは舗装済みの林道です。右岸の紅葉がなかなかでした。




政所のバス停にて (21)
政所のバス停です。



発電所手前からの岳 (22)
車を停めた日枝神社に向かう途中、発電所の手前から岳の山頂が見えました。


岳 (23)
車に戻り、少し上流に進みました。地図(23)からの岳です。より鋭鋒となりました。




岳 (24)
さらにその先、地図(24)からの岳です。





MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(竜ヶ岳・百済寺)をベースに作成いたしました。


山行記録:日時−2005年11月23日、天候−晴れ。10:45 日枝神社@付近に駐車・参拝後出発、10:50 黄和田城址・登山口、11:25 巡視路分岐E、12:10 稜線H、12:20-12:35 岳・山頂I、13:00-10 鉄塔R179K、13:25 鉄塔R181M、13:35 山ノ神峠N、13:55 鉄塔L182O、14:15 旭山・山頂R、ここから引き返して 14:50 山ノ神峠N、15:00 山の神の祠、15:40 大堰堤S通過、16:00政所の県道、16:30 駐車地@P着。

 いい天気の勤労感謝の日、八風街道をとばして黄和田に入りました。まず日枝神社@にお詣りしてから畑のあぜ道を越えて黄和田城址Aに。地元の方が作ったと思われる立て札には、歴史が語られていました。杉林の中石積があちこちに残り、昔を偲ばせてくれます。大杉の横には岩谷三社の案内札。かつて「嶽」の山頂にあった八大竜王神が平成七年に遷宮されたなどのことが書かれていました。立て札の写真は、まとめて下に出しておきますので、興味ある方はご覧下さい。その岳の登山口は大杉の下Bを右に向いたところです。テープが何種類か付いていました。しばらくはしっかり踏まれた溝状の道。この道は中部電力の伊勢幹線と呼ばれるパラレル送電線の巡視路ともなっていますので、あちこちに黄色い表示も出ています。右に一本の巡視路を分けC、道があやしくなってくると、涸れたガレ沢との出合Eです。巡視路は左に分かれていきます。もちろん、この巡視路を進んで、稜線を右に引き返しても岳に登れますが、今日は直登します。ガレ沢は徐々に傾斜を増し、ガラガラの石も増え、登りづらいことこの上ない状態です。十分の背後には何度も落石が起こりました。木の幹を掴んでなんとか登っていきますと、やがて両側に大岩が現れ、その先で傾斜はゆるくなります。岳の山上台地Gです。岳は黄和田や杠葉尾から見ると尖った峰ですが、県境稜線方面から見ると、南北に平らなことがわかります。その平らな部分に乗ったわけです。秋の台地上はまさに別世界でした。落ち葉の絨毯、差し込む明るい日射し、静けさ、そして点在するヌタ場・・・藪を分けて岳の山頂Iへ。ここはごくありふれた山頂で、三等三角点がある小さな広場です。眺望はありません。
 さて、岳の山頂Iをあとに北に稜線上を進んでいきます。最初は急降下。このとき、右に寄りすぎて派生尾根に入らないように注意します。コンパスで西よりの北を目指せば大丈夫です。子鹿に出合ったのはその先です。鹿はいつも大急ぎで逃げていくのに、この子はなぜだかぼくの横を離れながらもついて歩いてきたって感じでした。子鹿とも別れ、先に進むと左下から先程の巡視路の先と合流Kしました。また黄色い標識が出てきました。やがてR179の鉄塔下K。鉄塔は迷惑ですが、皮肉なことにこの眺望はうれしいもので、しばらく見とれてしまいました。特に静ヶ岳と竜ヶ岳。この稜線からの姿が、一番だと思います。左右の送電線の鉄塔を交互に過ぎ、いよいよ山ノ神峠Nに着きました。でも能登川高校WV部の看板がなければ気づかなかったかもしれません。鉄塔がすぐ脇に立ち、かつての面影はありません。
 山ノ神峠Nから旭山Rまではあまり起伏もなく、快適な稜線歩きです。いい天気の秋の午後、紅葉もよけい美しく色づいて見えます。やがてなんとなく標石のある広場に出ました。ここが旭山の山頂Rです。広場や標石がなければ、まず素通りしそうな場所でした。

 山ノ神峠Nに戻って、廃道とは知りつつも、宮の谷の峠道を下ってみました。まず、鉄塔L181の下をくぐって行きます。しばらくはしっかりした溝道が折り返しながら高度を下げてくれます。この調子で降りて行ければ、下山はすぐでしょう。やがて、石仏の祠が大きな木に囲まれてひっそりと佇んでいました。おまいりをして先へ進むと、左上から流れの音とともに谷筋に出合いました。宮の谷の上流部です。ここからしばらくが難所でした。もともとは巡視路だったので、黒いゴム製のステップがあったようですが、それも土石流で崩れて流されていました。小さな滝の所は、周囲全てが断崖となり、巻くこともできず、お尻で滑りながら下っていきました。時折予想以上に滑って、ヤバっと思うことも。こんなことを何回か繰り返すうちにずいぶん高度も下がり、谷筋も落ち着いてきました。ところが突然その先に巨大な堰堤Sが現れました。なんとも大きいその堰堤は、人が通過することなど考慮している訳もなく・・・・さあ、どうやって通過しようかと頭をひねりました。両側を高巻きすることも考えましたが、削られた斜面を登るわけにもいかず、ずいぶん戻ってからでないと無理と見えました。山ノ神峠まで戻ることも考えましたが、下ってきた苦労を考えるとその案も捨てざるをえませんでした。結局、水と一緒に堰堤を通過するしかないとわかり、巨大なパイプの下へと入っていきました。幸い、流れは緩かったのですが、苔が足を滑らせましたのでゆっくりと進みました。堰堤から出たところが、今度はその先に降りられないことがわかりました。流れはその先で滝のように落ちていました。なんとか右の護岸の上に足が届いたのでそこから右岸の斜面に登り、通過できました。ほんと苦労しました・・・・
 あとは林道歩き。まず宮の谷林道を県道まで下り、政所から車をとめた黄和田に帰りました。四時半といっても秋の空はもう薄暗く、夕焼けに照らされた岳が再び勇姿を見せてくれていました。



歴史看板

上から順に黄和田城址入口の「城址概略」
黄和田城址入口の「嶽お池雨乞山」
登山口・大杉の下の「岩谷三社」看板