押立山から秦川山へ   Mt. Oshidate to Mt. Hatagawa

 押立山は鈴鹿の主稜線から西に遠く離れた山で、近江盆地に接しています。南の白鹿背山からは角井峠を介して尾根続き、北の八ツ尾山・高取山からは宇曽川を隔てた南側対岸に位置し、日本コバの前衛峰ともなっています。梅雨の中休み、蒸し暑い中を国道307号線沿いの平柳から山に近づき、名神近くに駐車して西側から押立山に登りました。山頂からさらに東に向かい、林道を経て宇曽川流域へ。その後宇曽川を下って宇曽川ダムの中ほどから北への林道を上がり、秦川山へ。この山域、いろんなところに林道が伸びており、思わぬところで林道に出たりで、ちょっと驚きました。宇曽川ダムからまた駐車地まで汗だくで帰りました。押立山は8年前の冬に一度ここから登っていますが、季節も違って、印象はかなり違いました。


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山行写真
撮影日:2010/7/10 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



林道のゲート @
平柳で国道307号線を離れ、川沿いの道を東へ。携帯の電波塔の下の空き地に駐車できます。その先で林道は
ご覧の通りシャットアウト。でも、人間だけなら右の脇を抜けられます。不法投棄…ほんとうに情けないですね。




オカトラノオ @−A間
すぐ先に、オカトラノオの花が。やはり自然がすごく残っています。



名神をくぐる A
さて、名神高速をくぐるところに再びゲートが。説明書きによると、サル、シカ、イノシシによる獣害を防ぐためのものです。
「入山・下山時には必ず閉めてください」とのことで、くぐった後はきっちりひもも締めて行きました。檻の中に入る心境です^^




その先の林道 B
急な所は舗装されておりました。



ウツボグサ B−C間
シソ科の花です。



林道の終点近く C
左にログハウスが見えてくると、間もなく林道は終点です。



キツネ谷を渡る D
林道が終わると、すぐ先で流れを渡って左岸に出ます。



ミズタビラコ D
流れのすぐ近く、湿ったところが好きな花です。



登り始め D
流れを渡って左岸の道です。



右岸へ D-E間
すぐにまた流れを渡って今度は右岸へ。もうキツネ谷を渡ることはありません。



明神社 D-E間
しばらく右岸を登ると「明神社境内地」と書かれた石があり、さらにもうひと登りすると社があります。
この周辺は広葉樹の巨木が多数社を取り巻き、神聖な雰囲気が漂っています。




明神社の先で D-E間
明神社の先で、登山道は二つに分かれます。ここは左が正解。
右はいったん沢に出て、そこから左の道への登りはかなりきついです。



尾根上の道 E
左の道もしばらく急登が続きますが、やがて尾根の上に出ます。



ブッシュが深まる F
登っていた尾根は、やがて左後方の押立山の主稜線の尾根に吸収されます。そこらあたりから、溝状の道となります。
真夏なので、かなりブッシュが濃く、前日の雨でズボンはびしょびしょになってきました。




押立山・山頂 G
その先で分岐しますが、尾根上を進んでも、右への巻き道を進んでも、まもなく山頂に出ます。樹がなくて明るいところですが、眺望はありません。



近江盆地の眺望
山頂から南東に向かうと、2分ほどでこんな眺望の場所へ。この日はあいにく梅雨の晴れ間なので、霞んでいますが・・・
太く見えているのは名神高速です。




白鹿背山
同じ場所から、南を見やると、鉄塔の多い白鹿背山です。



東への稜線 H
山頂の少し北から東に延びるはっきりした尾根があります。その尾根上には登ってきたルートより
明らかな道があります。その道で、東へ向かうことにしました。ときおり写真のように稜線の右を巻くことも。




林道出合 H-I間
東への尾根道は、山頂から20分もいかないうちに林道に吸収されます。
あまりに山頂近くまで林道がきているので、びっくりしてしまいました。
林道といっても、一般車は通行止めす。どうせ簡単に入ってこれるような路面ではありませんが。




林道分岐 H-I間
林道はすぐに分岐点へ。いま来た道は左の細い林道。進むべき方向は意外にも右への登りでした。



銚子岳・静ヶ岳・竜ヶ岳 H-I間
林道から東がよく見えるポイントで。銚子岳の手前はヒキノ。



762m峰 I
その左手には762mの無名峰です。



アカイシ I
その左手にはアカイシ704m。



ノリウツギ I-J間
林道は急降下し、谷に下りてきました。川沿いには白いノリウツギが満開でした。



左から落ちる滝 J
谷沿いの道が林道の集結する標高435mのポイントに近づいた頃、左から大きな滝が落ち込んでいました。



イワガラミ J-K間
アカイシへの登山口付近に。岩ではなく杉の木に絡んでいました。



宇曽川の滝 K
その後、宇曽川沿いに下ります。だいたいは穏やかな流れですが、ここ一箇所だけ急な滝状の流れとなります。観世音菩薩の滝と呼ばれる滝です。




山比古湧水 L
林道を下ってゲートを越えると、多くの人が水を汲みに来る山比古湧水。暑い日だったので、川遊びのグループもたくさん来ておられました。



秦川山への林道入口 M
山比古湧水からは車の走る宇曽川ダム湖左岸ではなく、車輛止めのある右岸を歩きます。
やがて、右にゲートのある秦川山への林道。これを上がります。



林道分岐点 N
最初の林道分岐点で、舗装のある直進ではなく、左手の狭い地道の林道へ。最初は堰堤上で舗装されていますが・・・



尾根への取り付き O
三回目の尾根の突端を少し過ぎたところから、この尾根に乗ります。



尾根道 O-P間
尾根に乗ると、踏み跡があります。けっこう急ですが、北西向きに登ります。



アカイシ O-P間
見通しのいいところがあって、アカイシが望めました。



高取山 O-P間
その左には高取山。左が通常の山頂、右が最高峰の南峰。別名、向山です。




秦川山・山頂 P
標高469m、二等三角点がありました。



秦川山北の林道 Q
山頂から北に進んでみました。すると、尾根の右側にまたまた林道が。



押立山 Q-N間
林道の途中から、さっき登った押立山が見えました。



麓からの秦川山 S
その後、Nで登ってきた林道と出合い、Mまで下ったのち、宇曽川ダム堰堤の横を通り、下界に下ってきました。
Rから「湖東三山自然歩道」に入り、Sあたりから秦川山を仰ぎみます。




麓からの押立山 S-@間
さらに「湖東三山自然歩道」を進み、東に進んで押立山を仰ぎみます。少し先の携帯電話用鉄塔のあるところが駐車地です。




お猿の大群 @
駐車地の少し手前を歩いていると、山からお猿の大群が・・・。地元の人たちの追い払い工作もあまり効いていないようで・・・




山行記録:日時−2010年7月10日、天候−くもりのち晴れ。林道ゲートの手前の駐車地@に駐車後、11:00 歩行開始、11:05 名神高速道路下の第二のゲートA、11:30 ログハウスのある林道終点C、11:45 明神社、12:50 押立山・山頂G着。昼食、および眺望ポイントへの往復後、13:20 山頂発、東への尾根を進み、13:40 林道出合、14:00 Iの先の鉄塔、14:05 標高600mの谷底、13:40 鉄塔J、13:50 谷底K、14:20 左からの滝J、14:40 宇曽川の滝K、14:55 山比古湧水L、14:05 秦川山への林道入口M、15:20 林道分岐N、15:30 尾根取り付き点O、15:50 秦川山・山頂P着。15:55 山頂発、北へ進み3分後には林道に出る、16:10 先ほどの林道分岐点N、16:20 秦川山への林道入口M、16:35 宇曽川ダム堰堤横、16:50 湖東三山自然歩道R、17:10 クレフィール湖東入口、17:25 駐車地@着。

 この日は最初、押立山にのみ登るつもりでやってきました。2002年の12月、同じルートで登っています。ただ、その日は天気も悪く、写真もほとんど撮れませんでした。そんなわけで、単に再現のつもりで。麓の雰囲気も、8年でずいぶん変わりました。かつて来た時も、ゲートがあったのは覚えていますが、2回もなかったような・・・駐車して準備していると、獣の悲鳴のようなのが定期的に聞こえました。地元の方々が獣除けに流している放送でした。それほど、獣害には悩んでおられるようです。一つ目のゲート@は、不法投棄防止の車輛止め、高速の下の二つ目のゲートは獣止めでした。丁寧に閉めて林道を進みます。林道は急な所のみ簡易舗装された道で、最初は左に小さな流れを聴きながら進みます。やがて高圧線の下をくぐると、道は大きく曲がり、キツネ谷が右から近づいてきます。やがてログハウスのある林道終点Cです。林道が途絶えるとすぐ流れを渡りD、少しだけキツネ谷の左岸を登りますが、すぐまた渡り返して、その先はずっと右岸の道です。明神社は、大きな落葉樹に囲まれた神聖な雰囲気の中にひっそりとありました。おちばで、その先の道は溢れていました。すぐ分岐がありますが、左をとった方がベターです。やがて山腹道から尾根道にかわり、さらに北からの押立山主稜線に吸収されF、山頂へと導かれます。山頂の少し手前に立派な踏み跡が東向いてついているのを見ました。きっと林道への抜け道かな?って、ピンときました。予定を変更してそのまま西に下らず、東に行ってみることにしたのはこの時です。まあ、でもその前に、8年ぶりの山頂Gへ。8年ぶりに来た山頂は、予想通り全く別の場所のようでした。季節の違いが最も大きいのでしょうが。ここは残念ながら眺望はありません。西内氏の本には「(山頂から)南東へ平坦な尾根を5分ほど行くと、素晴らしい大展望が開けている」とありましたので、少し行ってみることに。ここで、湖東の平野と白鹿背山を撮りました。
 押立山山頂Gを出発してすぐに東への分岐に出ます。ここからこの始めての道を進みました。しっかりとした踏み跡で、しかも黄色い境界票が定期的に立っていました。これは迷う心配はないなぁ、なんて思いながら歩くこと20分弱で、予想通り林道に出ました。意外に早くてびっくりです。その先で林道は分岐していましたが、下りは直進だったので迷わず直進。そしたら、その先で林道は終点でした。なんと下りは、左斜め後方の少し登りの方でした。その先はどんどん下って、Iの先で鉄塔を過ぎ、やがて宇曽川の上流の谷底へと下りました。標高は600mです。つまり、山頂から170mほど下ったことになります。ここからひたすら宇曽川沿いに下っていきます。Jでの滝はちょっとびっくりです。こんなところに、って感じで。なかなか立派な滝でした。アカイシへの分岐を過ぎ、山比古湧水で、久々に人間の声を聞きました。さらに下って車まで戻ろうかと思いましたが、そのまえに秦川山に登りたくなってきました。
 この秦川山という山は高取山の前衛って感じで、これまで登ろうとしたことはなかったのですが、こちらから登れると聞いていたので、Mからつい向かってしまいました。Nで向きをかえて、どこから取り付こうか迷いましたが、結局一番立派そうな尾根を過ぎたところOから尾根にとりつきました。まだ登りは結構ありましたが、迷うことなく山頂Pに到着しました。山頂の少し手前に眺望ポイントがあり、アカイシ、高取山などが拝めました。さて、もう午後4時前となり、結構疲れてきました。帰途は、同じルートで下るのも芸がないし、他のルートも定かではなかったので、金剛輪寺に下ることも想定して、北に向いて進みました。すると、なんとまたまた林道が。秦川山から高取山に至る尾根に沿って、わりあい最近つけられた道のようです。結局、金剛輪寺にはいかず、これで下ることにしました。林道はぐるり遠回りしながらも徐々に高度を下げていき、結局さっき通ったNに出ました。ここからは駐車地までひたすら林道〜車道歩き。今回の距離は15kmは超えているのでは?
 駐車地も近づいた頃、軽トラックがずっとホーンを鳴らしながら走っているし、なんだか変だな〜、って思っていると、猿の大群が押し寄せていたのでした。パーン!という炸裂音も何回も鳴らしておられましたが、猿たちは少し引くだけで、またすぐ休耕田に戻っては何かひたすら食べていました。獣害におびえる地元の人たちの大変さに同情し、それに、猿たちも餌取りがかなり大変なのかなぁ?なんて考えながら車にたどり着きました。出発してから6時間半ほど経っていました。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(百済寺)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。