リョウシからコザトへ   Mt.Ryoshi to Kozato

 このカタカナ名の二山は、霊仙山の南に位置し、石灰地形の典型的な険しい地形です。川によって浸食された麓部が急峻な傾斜や岩場で、来るものを拒んでいるような山で、一般登山ルートはありません。でも、山頂付近には比較的傾斜の緩い台地状の部分もあります。リョウシは標高722mで、漢字では「猟師」ではなく、「霊祠」と書かれるようです。また、コザトの山頂には標高829.9mの三等三角点がありますが、この点名が「霊山」。すぐ北の霊仙山をはじめ、「霊」の字が取り付いた山域なのです。でも、五月に登ってみると、そんな恐ろしいイメージは一掃され、きれいな新緑と素晴らしい眺め、それにヤマシャクヤクやヒメフウロなど石灰地形特有の花も見られて満足でした。今日のルートはほぼ西内氏のガイド本(2)の61番を参考にしました。コザトからの帰路に最初は北への尾根の縦走を考えましたが、ブッシュが多くて断念し、結局西内氏のルート、つまり白谷への直降、に従いました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

リョウシ・山頂西からの眺望へ
ルートマップへ

山行写真
撮影日:2012/5/20 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



妛原の林道バリケード
河内の風穴のすぐ先にある妛原(あけんばら)までは車で入れますが、その先はこのように車両通行止め。もちろん、車で入っておられる方も
おられましたが、ウォーミングアップも兼ねて、今日はここからリョウシの登山口まで権現谷林道を歩くことにしました。距離は2.5kmほどです。




権現谷林道を歩く(1)
歩き始めてしばらくのあたりです。



権現谷林道を歩く(2)
最も険しい谷間をすり抜ける林道です。この先が行者谷出合です。



素晴らしい新緑
何ともいえない色をしていました。



登山口のカーブミラー @
行者谷出合と白谷出合のほぼ中央にあるカーブミラー。これが登り口です。といっても、左の傾斜はあまりにきついのですが・・・少し先の川の中に、
鉄でできた砂防用の堰き止めがあるのが目印です。ここの標高はほぼ360mです。西内氏のガイドにある「丸い看板」は外れたのか、無くなっていました。



ここ↑を登る @
でも、この前後は岩壁ばかりなので、確かに登れるところはここぐらいかもしれません。テープは探したけどありませんでした。



急登 A
最初は雑木の根を掴みながら登ります。少し登って左に寄ると、縦長の杉植林帯があります。この中を登っていきます。
杉の幹の曲がり方から、その急勾配がわかると思います。杉の幹をたよりに、なんとか登っていきます。ここらにはたまに赤いテープがあります。
なお、この杉植林帯の左も右も急傾斜のガレ場で、随時落石音が聞こえていました。危険なのでそちらに入ってしまわないように要注意です。



なかなかの勾配 A-B間
水平距離250mほどで、220mを登る勾配です。平均斜度は40度超え。とても、まっすぐは登れません。杉の根っこを求めて斜めに登ります。



見えてきた稜線 B
一番上の杉の木を過ぎたあたりです。傾斜が緩み、稜線が見えてきました。両側には石灰の岩脈です。ブナの木も出てきました。



稜線に到達 C
やっと稜線上に着きました。急傾斜を喘ぎながら登ってきたので、小一時間かかってしまいました。ここの標高は580mほど。



稜線上 C-D間
稜線に乗ったので傾斜は緩まりました。でも、このカレンフェルト・・・。イチイなどの
痛いブッシュも多く、ここもまた、何とも歩きにくいところです。なかなか歩行距離が進みません^^




ヒメレンゲ D
カレンフェルトの石灰岩の上には苔がよく生えていて、そこにはきれいな花が咲いていました。まずこれはヒメレンゲです。



ヒメフウロ D-E間
これも石灰地形を代表する花です。小さいですが、すごくきれいな花です。



コザトの山頂部 D-E間
尾根の右前方に、後で目指すコザトが見えてきました。植林がパッチワークのようです。



御池岳 D-E間
振り向けば、巨大な御池岳〜鈴ヶ岳と、凹凸の激しい横根山の稜線(手前)です。



リョウシ・山頂 E
標高722mのリョウシ・山頂です。三角点や山頂札はありません。眺望もありません。



山頂の西に広がる岩尾根 F
山頂から少し西に下るとこのような石灰の岩尾根があり、その上は眺望抜群です。その先は断崖絶壁で行者谷に落ちています。






リョウシ・山頂西Fからの眺望



霊仙山
何と言っても目の前に巨大な霊仙山の山体が圧倒的な迫力で迫って来ます。左が近江展望。右が南霊岳。その右に最高峰近くも少し見えています。



近江展望
近江展望のアップです。この写真にはいませんが、歩いている登山者もよく見えました。



南霊岳
左が南霊岳です。右の登山者が歩いているその上が霊仙山・最高峰です。



荒神山と沖島
琵琶湖方面です。左右に大きいのが彦根市南部の荒神山。その向こうに浮かぶのが沖島です。



比叡山
遠方の秀麗な峰が比叡山です。その手前に筋のような琵琶湖・南湖。さらにその手前には八幡山と望西峰。そして、西の湖です。



鍋尻山
その左(南西)には、権現谷を隔てて鍋尻山838mです。



ザラノ
その左にはザラノ808m。右端は高室山818m。






ヤマシャクヤク F-G間
リョウシの山頂に戻り、コザトに向かいます。歩き始めたところで、すぐに
ヤマシャクヤクに出逢いました。きれいに咲いている姿は初めてです。




尾根の分岐点 G
このなだらかな峰から南東の尾根に入ります。



東南東の尾根へ H
Gから少し進むと、尾根なりには南に向かう方へ行ってしまいそうになりますが、そこをあえて東南東に下がっていくこの尾根に乗らなければなりません。



イワカガミ I
尾根はしばらくの間下りますが、間もなく最低鞍部を迎え、コザトの登りにかかります。イワカガミがちょうど咲き始めの頃でした。



大岩 J
尾根が北東に曲がり、さらに進むと、山頂のすぐ手前の傾斜が緩くなるところにこの大岩があります。下りの際に目印となる岩です。



烏帽子岳 J-K間
北東向きの尾根からは、これまで見えなかった烏帽子岳が間近に見えました。



コザト山頂・三角点 K
標高829.94m、点名「霊山」の三等三角点がある山頂です。



ソノド K
三角点からは眺望はありませんが、少し北にブッシュをかき分けると、右前方にソノド926mが見えました。



幾里山 K
さらにその左には幾里山(別名・鹿アソビ)908mです。



下りの尾根へ Jの少し南東
帰途に入ります。コザトから北へ延びる尾根を林道まで行こうと思っていましたが、ブッシュが濃くて断念しました。
さっきの大岩Jまで戻り、南東への尾根に乗りたいのですが、尾根芯は完全な藪。そこで少し南側を尾根芯から離れないように下りました。




尾根の屈曲部から東向きの尾根へ L
先ほどの尾根を南南東に下っていくと、やがて直進する尾根とほぼ東へ急に下る尾根とに分かれます。ここは東への急降下尾根をとります。



尾根上の岩塊 M
東へ下る尾根は南東に向きを変え、やがてこのような岩塊が現れます。近くの横根山でもよくあった風景です。左は絶壁ですが、右側が歩けます。



シャクナゲ咲く尾根 M-N間
尾根上はシャクナゲがほぼ満開でした。



植林帯を下る N
やがて植林帯となり、ヒノキの下を下っていきます。最後、林道へ下るところは断崖が多く、降りられるポイント探しをして何とか下ります。



降りついたポイント O
白谷林道に降りつきました。1/25000地形図ではこのあたり林道が左岸にあり、困ったなぁ・・・と思いましたが、実は地形図の誤りで、
実際はこのように林道が右岸にあり、無事に下れます。左岸へは数百メートル川を下ったところで渡ります。



白谷林道 P
Pあたりから。目の前の尾根が岩だらけなのには驚きました。さっき下った尾根の一本西の尾根です。
もしあの尾根を下っていたら、林道には降りれていないでしょう。地形図だけからその差を見つけることは困難です。



白谷の橋にて Q
白谷林道が権現谷林道に合流したすぐのところにある白谷の橋です。リョウシの尾根の末端が目の前に見えています。
確かにこの岩屑だらけの急斜面を登るのは大変そうですねぇ・・・もちろん、ここから尾根伝いにリョウシに登るルートもあるようですが。



コンロンソウに来たスジグロシロチョウ Q-@間
コンロンソウは、リョウシの尾根上にもたくさん咲いていました。



ヤマブキソウ
ヤマブキに似た黄色い花なのでこう呼ばれますが、親戚ではないようです。花びらもヤマブキの5枚に対しこちらは4枚。行者谷と妛原の間で。



イブキシモツケ
伊吹の名が示す通り、石灰地帯に多い花です。妛原の手前で。



山行記録:日時−2012年5月20日、天候−晴れ。8:45 妛原(あけんばら)の林道通行止めの手前に駐車後、ちょっと行き過ぎたりしながら、9:41 登山口@到着。ここから急登の開始。10:38 稜線C、11:22 リョウシ・山頂E着。Fで休憩後、11:46山頂発。12:28 コザト・山頂K着。昼食後、12:45 山頂発、12:52 Jから尾根に入り、13:13 岩稜M、13:40 白谷林道Oへ下る。その後は長い林道歩き。14:13 白谷の橋Q、14:28 登山口@、15:07 駐車地着。

 

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(霊仙山、彦根東部、高宮、篠立)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。