白滝山、大洞の頭から鎌尾根へ   Mt.Shiratakiyama & Ohboranokashira to Kamaone

 2008年の夏から鈴鹿スカイラインが不通となり、滋賀県側から御在所岳、鎌ヶ岳へのルートは、武平峠を使えないためけっこう大変になりました。そんななか、白滝山の尾根は鎌尾根の真中に登れる貴重なルートとなっています。それでも、駐車できるところから県境まではそうとうな距離覚悟です。不通の鈴鹿スカイライン・大河原橋の少し下に駐車し、大河原橋から元越谷林道を登り、途中から白滝尾根に登ります。白滝山841m、大洞の頭(おおぼらのかしら)915mを経て、鎌尾根の衝立岩の近くに出ます。実は、この日の目的の一つは鎌尾根に咲くアカヤシオ。何年かにわたってGWに出かけ、遅すぎた経験があるので、いまだ満開を見たことありません。そこで今年は少し早い目に・・・・でも今年は天候不順の寒い春。結局この日はつぼみしか見ることができませんでした;;その後、鎌ヶ岳目指して岳峠へ。ここから鎌ヶ岳の山頂部を往復しようかと時計を見たら、既に二時。普通なら余裕なのですが、車は遥か大河原橋の向こう。しかたなく山頂をあきらめてニゴリ谷を下り、ロクロ谷出合から崖をよじ登って大荒れの大洞谷林道(跡)へ。これが実にひどい道。路肩は崩れ、橋は落ち、路面は45度の傾斜角・・・結局、ニゴリ谷を下ったほうが早かったと思うほど時間がかかりましたが、なんとか車の走っていないスカイラインへ。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

山頂からの眺望へ
ルートマップへ

山行写真
撮影日:2010/4/25 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5




大河原橋を渡る @
水沢峠や宮指路岳に向かう大河原橋です。いつもはもう少し車で入りますが、今日はこの林道からは下ってこない予定なので、
スカイラインの少し手前の広場に駐車して、歩いて渡ります。




猪足谷の清流 A
この谷の水は、いつ見ても本当にきれいです。コバノミツバツツジが、満開です。



林道分岐 B
猪足谷林道(橋を渡って直進)と元越谷林道(左折)の分岐点です。今日は左の元越谷林道へ。



ヤマザクラ B−C間
対岸に満開のヤマザクラ。毎年ならもう散っている頃なんですが・・・ひょっとしてアカヤシオは早すぎか・・・・不安が走ります。



登山道入り口 C
元越谷林道がヘアピンカーブを2つ曲がったところCが登山道入り口です。切株の黄赤テープが目印。



植林の中を登る D
最初傾斜はゆるいのですが、北北東ぐらいを目指して登っていくと、徐々に傾斜はきつくなってきます。鹿よけフェンスをうまく越える必要もあります。
やがて、左前方に尾根状の地形が見えてきます。途中からはそれに向かって、ほぼ北向きに登っていきました。




尾根に乗る E
尾根状の地形に乗っかりました。植林帯はここで終わり、向こうは二次林でした。ここから、東を向いて、植林と二次林の間を登っていきます。



きつっ・・・ F
傾斜がかなりきつくなってきました。根っこを掴まないとよじ登れません。でも、杉が多いので、根っこはたくさんあります。



台地に乗る G
急登坂をしのぎきると、アカマツのある台地に乗りました。地図のGあたりでしょう。南からの尾根の上に出たようです。ここからは北東〜北へと尾根をたどります。



水沢岳 G−H間
右前方の視界が開けたところで、仙の谷をはさんで水沢岳(すいざわだけ)1030mが遥か上に雄姿を見せてくれました。



尾根の上に岩が H
白っぽい岩が行く手を塞ぎます。ここは、基部を右に登って越え、次の岩は、間を乗り越えて、なんとか通過。



高円山 H
でも、岩の上からはこんなすばらしい眺望が。コバノミツバツツジと高円山945mです。



白滝山・山頂 I
Hの岩を越えると、突然きれいな尾根上に出ます。これが、白滝山尾根の主稜線です。
右折して平坦な道をしばらく進むと、白滝山の山頂です。山名札が無いと通り過ぎてしまいそうです。




急降下 J
山頂を過ぎてしばらくは平坦ですが、ここから赤テープを探しながら東へ急降下です。その手前は左(北)に進みたくなるので要注意です。



近づく大洞の頭 K
Kあたりまで来ると、時折左前方に大洞の頭が見えてきます。大空をパラグライダーが飛んでいます。



雨乞岳 L
そして、左にはずっと雨乞岳の雄姿が。木々に隠れがちだったのが、ここでやっと全景が現れます。
山頂部、この時期は少しだけ笹に緑が戻ってきました。このほか、綿向山、御在所岳も見えてきます。




やせ尾根 K−L間
右に大きなガレが現れ、やせ尾根となります。



大洞の頭 L
尾根を登りきって、すこし左の盛り上がりに登ると、そこが大洞の頭の山頂でした。標高は915m。



砂ザレを渡る L−M間
大洞の頭で向きを真東に変えて尾根を進むと間もなく真っ白な砂ザレが現れます。スリップ注意です。



白滝山を見下ろす L−M間
でも砂ザレの上からは眺望がバッチリです。これはさっき通った白滝山。このほか、サクラグチ、高円山、奥草山、西山などがきれいでした。



ハルリンドウ L−M間
足元にハルリンドウが時折咲いていました。踏まないように慎重に・・・標高はほぼ1000mです。



岩の間を越えていく M
シャクナゲもでてきました。左前方に時折、鎌ヶ岳の姿も。



広がる尾根 M−N間
尾根が広がってきました。正面に鎌尾根が見えてきました。もうちょっとです。



鎌尾根出合 N
ついに鎌尾根到着。伊勢の平野が眼下に。



今登ってきた尾根を振り返る N
鎌尾根縦走の人が迷い込まないように枝でブロックされています。



衝立岩 N
ここは鎌ヶ岳と水沢岳を結ぶ鎌尾根のほぼ中点です。鎌方面には衝立岩。その上に鎌ヶ岳の山頂部がのぞいています。



白滝尾根を振り返る N−O間
衝立岩の上から、さっき登ってきた白滝尾根を俯瞰します。一段がくんと落ちた先が大洞の頭。尾根越しに頭だけ出す白滝山。
バックは、左からサクラグチ、西山、奥草山、水無山、綿向山。




水沢岳 O
Oあたりから振り返った水沢岳。左へ落ちていく絶壁の角度が凄まじいです。



鎌ヶ岳 O−P間
そして前方には鎌ヶ岳が近づいてきました。



アカヤシオのつぼみ O−P間
鎌尾根のアカヤシオはまだつぼみでした。せっかく今年は時期を早めてきたのに、それがあだとなってしまいました;;こうなったら来週こそは・・・



至近からの鎌ヶ岳 O−P間
岳峠の手前、さらに近づいてきた鎌の山頂部です。滋賀県側への崩壊がすごい迫力です。この下の谷が下りに利用するニゴリ谷です。



白いショウジョウバカマ O−P間
岳峠が近づいてきた頃、真っ白なショウジョウバカマを発見。ここまで白いのは初めて見ました。



岳峠 P
さて、岳峠までやってきましたが、このときちょうど二時でした。下りは3時間はかかりそうなので、山頂往復はあきらめて、ニゴリ谷を下ることに。
この標識の「カズラ谷」の正反対、つまり笹の向こうに向かって下っていきます。



ニゴリ谷(1) P−Q間
入ってすぐのニゴリ谷です。まだ流れは全くありません。テープを手助けに下っていきます。



左岸の滝 Q
最初はずっと左岸を下っていきます。ニゴリ谷の流れが聞こえる前に水音が。左岸側から落ちてくる滝です。ちょうど水の補給になりました。



広がる谷 Q−R間
滝を過ぎたあたりで谷は大きく広がります。



ニゴリ谷を渡る Q−R間
広がった先で、左から岩壁が迫ってきたところで初めて右岸へ渡ります。



ニゴリ谷(2) R−S間
このあと渡渉を合計6回行いました。しかし、水は澄んでいてきれいです。なぜニゴリ谷なんて名前がついたんでしょう?
しかし、渡渉にいい加減疲れてきたので、1/25000地形図の破線(大洞林道)がすぐ近くに来ているのを見て、そちらに登る衝動にかられました。




ロクロ谷合流部
やがて左からロクロ谷が流れ込んできます。少しだけ(約3分)谷を遡行してから、右(左岸)の斜面をよじ登ると・・・



大洞林道跡地へ 21
地形図どおり、大洞林道の跡地に出ました。ここは、鎌ヶ岳の山頂からも見えているポイントです。
しかし、斜面は45度に崩れ、大きな木も生え、もはや林道の面影はとどめていません。




鎌ヶ岳 21
確かに、振り返れば鎌ヶ岳の姿が。



林道跡を下る 21−22間
しかし、ひどい道です。踏み跡はあるので、誰かたまには歩くようですが・・・通常の林道歩きの倍以上は時間がかかります。



雨乞岳 21−22間



白滝山を見上げる 22
崩れた林道から、午前中に歩いた白滝山を見上げます。



やばいポイント 23
谷の奥で、林道が崩壊していました。橋は跡形も無く落ち、この砂防ダムが辛うじて残っています。
堰堤下部のステップ上を慎重に進んで何とかクリア。体重でステップが落ちたらそうとうヤバイかも・・・




再び林道が崩壊・・・ 24
一難去ってまた・・・。ここは、左の斜面を行くわけにいかず、谷底をなんとか向こうまで渡りました。この先で、ようやくまともな林道になりました。



コバノミツバツツジ 24−25間
なんともひどい道で冷や汗をかいたんで、花がすごくきれいに感じました。



ヤマザクラ 24−25間



鈴鹿スカイラインへの橋 25
やっとの思いでスカイラインに出ました。あのままニゴリ沢を下っていたほうが、きっと早かったでしょう・・・



スカイラインからの白滝山 26
スカイラインから白滝山が見えていたなんて、今日歩くまで知りませんでした。



スカイラインからの高円山 27
さらには、高円山も見えるポイントがありました。たまには歩いてみるもんですねぇ^^



山行記録:日時−2010年4月25日、天候−晴れ。9:50 鈴鹿スカイラインわきの空き地Pに駐車後、9:55 大河原橋@、10:15 林道分岐B、10:30 登山道入り口C、10:45 尾根に乗るE、11:05 南からの尾根と合流G、11:40白滝山・山頂I、12:00 稜線の好展望地K、12:20〜45 大洞の頭・昼食L、13:00 鎌尾根出合N、14:00 岳峠P、14:30 左岸からの滝Q、15:30 ロクロ沢出合S、15:40 大洞林道跡へ21、16:20 谷奥の崩壊地23、16:35 道の崩壊地24、16:50 鈴鹿スカイラインへの橋25、17:20 駐車地P着。

 GWに御在所、鎌方面に行って、アカヤシオがほとんど終わってたという経験を2〜3回しました。おかげで、いまだに満開のアカヤシオは見たことない…そんな惨状を打開しようと4月25日に鎌尾根に。でも生憎今年だけは早すぎたのでした。まあ、そんなことは仕方ないとして、今回初めて白滝尾根を登りに使ってみました。鈴鹿スカイラインが不通の現在、滋賀県側から御在所、鎌方面に登るのはなかなか大変なのです。車はスカイラインが不通とはいえ、大洞林道入口の先までは入れます。でも、ルートがあまりありません。しいて言えば今回下りに使ったニゴリ谷、その北の松山谷の北の松山尾根、そして今回用いた白滝尾根ぐらいです。もちろん、神崎川上流からはたくさんルートがありますが、滋賀県側から神崎川上流に入るの自体、大変です。
 さて、白滝尾根の入口は元越谷林道のCです。尾根自体は@の大河原橋から始まっていますが、700mを超える峰もあり、ほとんどはここからはいる人が多いと思います。とはいえ、一般ルートではないので、ずっと踏み跡がしっかりというわけではありません。Cで林道を離れ、しばらくは大きな杉の植林帯の下を登ることになります。朽ちた株や枝でなかなか歩きづらいところです。しかも鹿よけフェンスが出てきたり、傾斜がきつくなってきたりで、なかなかはかどりません。前方に尾根上の地形が見えてきたら、それに向かって進むと、Eあたりで尾根に出ます。植林と二次林の境目で、雨乞岳の姿も見えます。そう、白滝尾根の主稜線よりこちらの方が高いのです。急な尾根を進むと、やがてGから快適な尾根歩きとなります。踏み跡もしっかりとしてきます。でも、Hあたりでは尾根上に大岩が現れ、少し難渋します。これを越えると白滝尾根の主稜線となり、白滝山山頂Iは間近です。
 尾根はこの先で一端急降下します。ここはコンパスとテープで確認が必要です。またしばらくは素直な尾根歩き。Kで視界が開け、雨乞、綿向、大洞の頭がよく見えます。やがて大洞の頭Lへ。ここでも尾根の向きは大きく変わって、今度は少し南に振った東。鎌尾根まではほぼ登り一本です。そして鎌尾根の三差路Nへ。ここまで歩行時間がほぼ3時間かかっています。やっぱり遠かったです。一時間かけて岳峠Pまで行きましたが、今日はアカヤシオにも見放され、時間にも間に合わずに鎌の山頂はお預けで、ニゴリ谷を下り始めました。
 ニゴリ谷はほぼ西に向いたまっすぐな谷です。鎌ヶ岳山頂からの大崩壊が落ちてきている谷でもあります。しかし、谷上部の傾斜は予想外に緩く、テープを探しながら左岸を下っていきます。ただ、大きな岩が多く、なかなか距離を稼げません。Qあたりで左からきれいな滝が掛かり、本流にもやっと水が現れます。しばらくは広い谷をのんびりと下れますが、やがて左右に岩壁が現れ始め、ルートは渡渉を繰り返します。テープを探して慎重に行かないと、下れないところに入り込んではまた戻るということも。Sあたりで、けっこう嫌気がさしてきました。ここで、1/25000の最新版を見てみますと、大洞谷林道の先が破線となって21まで続いているのを思い出し、ロクロ谷出合いから少しこれを探してみることに。この道は先ほど鎌尾根からも見えていました・・・でも、道というより、白いラインとして。ロクロ谷を少しだけ遡行して左岸の崖を根っこを掴んで攀じ登ってみました。ほぼ地形図通り、そこには林道の跡がありました。でも、ほんとうに「跡」であって、林道の面影はもはやありません。法面が崩れて道は45度の傾斜地になっていました。大きな木が真ん中に育ち、これも通行の妨げに。そんなわけで、目論見はまたまた外れ、通常の林道の倍ほど時間をかけながらゆっくり慎重に歩いて行きました。それでも21-23間はまあなんとか歩けたわけですが、23で谷の橋が崩壊し、その先24では路肩から道全体が崩壊するという、かなりヤバい状態となっていました。そんなわけで、このルートは決してお勧めできません。ニゴリ谷を素直に下っていく方が、たぶん安全だし早いでしょう。ただ、いいこともありました。それは雨乞岳、鎌ヶ岳の眺望です。他の地点とは少し角度が違うので、独特の眺望がこの林道跡からは見られます。まあ、一つぐらいはいいことないとやってられませんよね^^

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(伊船)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。