尼ヶ岳と大洞山   Mt.Amagatake & Obora

 伊勢の国と大和の国の間に位置する伊賀の国は思ったより小さく、名張市と伊賀市(合併後)で全てです。その南では、伊勢・大和が直接、接しています。伊賀の南端は、山で言うと尼ヶ岳になります。したがって、その南の大洞山はすでに伊賀の山ではなく、伊勢の山となります。まあ、そんな細かいことは置いておきまして、「伊賀の山」で紹介します。なんせ、この二山は縦走路でつながっており、両山を縦走して引き返しても、日帰りでじゅうぶんお釣りが来るくらいです。さて、この二山、意外なことに火山です。倶留尊山や古光山、曽爾三山(鎧岩・兜岩・屏風岩)などと同じ、室生火山群というグループに入るそうです。滋賀近辺では火山由来の山は少なく、鈴鹿の八尾山が唯一古い火山活動の名残といわれている程度ですから、こんな場所に火山というのが驚きでした。しかし、尼ヶ岳は別名伊賀富士と呼ばれ、確かに富士山のように整ったコニーデ型の形状を、大洞山も丸い山頂部と急峻な山腹を見ると、火山らしい特徴を備えています。でも、地質学上は原形の火山ではなく、1500万年という途方もなく長い時代の侵食を経た姿というから、これもまた不思議です。今回は、この連山北端の伊賀市高尾に車をとめ、まず尼ヶ岳に。そこから稜線を南に縦走して大洞山の雄岳、雌岳。東に下っておおぼらキャンプ場から東海自然歩道で北上し、尼ヶ岳の手前で北西に尾根を下るルートで高尾に戻りました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

尼ヶ岳・山頂からの眺望へ

ルートマップへ

山行写真
撮影日:2013/10/13 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



高尾の登山口駐車場 @P
県道39号が桜峠に登り始める手前に、登山口駐車場があります。トイレも完備。



駐車場の案内看板 @
この朝、がんばって早起きして滋賀を出てきたのですが、なんとお弁当を買いそこない、ここから一旦桜峠を越えて美杉に下りました。これが間違いで、
桔梗が丘に戻ったほうが早かったようです。コンビニが美杉にはほとんどなく、ずいぶん探して、その後メナード青山リゾートを経由してここに戻ってきました。
1時間以上はロスして、10時になってしまいました。しかもこの看板の地図を似ると、尼ヶ岳まで100分かかるって書いてます。ちょっと焦って準備。



東海自然歩道を進む A
最初は林道風ですが、東海自然歩道の一部です。美しいヒノキ林を登っていきます。



橋を渡る B
標識(←尼ヶ岳1.4km、大タワ2.4km)に従って木橋を渡ります。さすがは東海自然歩道、よく整備されています。



ヒノキ林の登り C
最初は緩い勾配の散歩道。



現れた階段 D
いよいよ傾斜が急になってきたかと思えば、長い階段の始まりです。上端が見えないほど・・・



次のステージ D-E間
Dからの階段を登りきったら、ベンチがあって、次にまたこれです。



まだまだ続く D-E間
左が二次林になりましたが、階段はしつこいほど続きます。



自然歩道分岐 E
ここで、東海自然歩道は右に巻きます。直進が尼ヶ岳山頂0.2kmです。



最後のステージ E
あと200mというのでもうちょい、がんばって登りましょう。



ついに山頂が・・・ E-F間
階段の上方が明るくなってきました。いよいよ山頂でしょう。足はけっこうパンパンです。全部で5つのステージ、1500段ほどだそうです。



山頂部に出た F
やっと登りつきました。駐車場からちょうど1時間でした。100分はやはりオーバーでしょう。。



山頂の三角点 F
二等三角点「尼ケ岳」。標高957.39mです。標石はなぜか全体に欠けていました。



山頂のお地蔵様 F
お地蔵様もいらっしゃいました。




尼ヶ岳・山頂Fからの眺望


高見山、古光山、倶留尊山
ここからの眺望、なかなか素晴らしいものがあります。その中でも、まず南西に目が奪われます。中央が倶留尊(くろそ)山1037m。
その左に古光(こご)山952m。左端の鋭鋒は高見山1248mです。倶留尊の右の峰の後方に、住塚山1009mと国見山1016mの姿も。



高見山
望遠で見ると、さらに素晴らしい鋭鋒です。台高山脈の始まりの山ですね。後方は大峰の山上ヶ岳1719m(左)、大天井ヶ岳(右)1439m。



倶留尊山
ススキの草原で知られる倶留尊山ですが、それは西側斜面。東側斜面はこのように断崖絶壁に近い姿です。左の峰は二本ボソ山と呼ばれます。



大洞山
真南には今から向かう大洞山です。右が雄岳、左が雌岳。後方は高見山から局ヶ岳に延びる高見山地の山々です。



局ヶ岳
南東には局ヶ岳1029m。伊勢の槍ヶ岳と呼ばれているそうです。志摩半島の付け根ぐらいの位置。



青山高原
北北東には風力発電装置が目立つ青山高原。750〜770mの尾根が続いています。左端の風車の後ろ、白いドームが見えているのが笠取山828m。



雨乞岳、御在所岳、鎌ヶ岳
その後方をしっかりと見てみると、鈴鹿の名峰がはっきりと見えています。左が雨乞岳1238m、右が御在所岳1212m。その少し右に
尖った鎌ヶ岳1161mの姿も確認できます。ほぼ55kmの距離を越えて。




綿向山
そしてその左には綿向山1110m。その一つ手前には鈴鹿最南部の那須ヶ原山800m。それより手前は布引山地の山々です。





尼ヶ岳から南への下り F-G間
山頂から南へはしばらく細い踏み跡です。でも、迷うほどではありませんでした。



ガマズミの実 F-G間
10月ですから、木には赤や青の実がたくさん実っていました。これはガマズミ。



東海自然歩道に合流 G
Eで分かれた東海自然歩道が右からやってきました。ここからはしばらくそして再び東海自然歩道を進みます。



大タワ H
ヒノキ植林の稜線のハイウェイをどんどん進むと、鞍部に着きました。ここが大タワと呼ばれている場所です。右(西)に下れば太郎生。左(東)に下れば美杉の八知です。



倉骨峠 I
その後右から車道が迫ってきて、ここでクロスです。ここがもう一つの鞍部、倉骨峠。



大洞山分岐 J
倉骨峠からわずか100mほどで、右への分岐です。≪健脚向≫とありますが、ごく一般的なルートです。



四ノ峰への登り J-K間
しばらく急登です。



岩だらけの場所 J-K間
四ノ峰のピークが近づいた頃、苔むした岩に覆われた場所を通ります。ちょうど北緯34度32分で卑弥呼の墓
とさえ言われる箸墓の古墳などとほぼ一致し、古代太陽の道との関連が想像される場所だそうです。




四ノ峰の山頂 K
間もなく山頂です。ベンチがありました。昼食タイムとしました。



大洞への急登 K-L間
四ノ峰から少し下がると、いよいよ大洞山・雄岳への登りです。リョウブなどが生える二次林の尾根をジグザグに登っていきます。



大洞山・雄岳の山頂 L
標高1013mの雄岳・山頂です。ここも山頂部だけ草原になっていて、周囲が見渡せます。



尼ヶ岳 L
さっき通ってきた天ヶ岳の全容が望めます。さすがは伊賀富士と呼ばれるだけの秀麗な山容です。後方
には尼ヶ岳から紹介した鈴鹿の三山(綿向山、雨乞岳、御在所岳)、青山高原がまだ確認できます。




倶留尊山 L
尼ヶ岳から眺めた時と、ずいぶん角度が変わりました。しかも二本ボソ山との鞍部後方から、断崖絶壁を持つ鎧岳894m・兜岳917mの姿が現れました。



さらに南へ向かう L
山頂をあとに、さらに稜線を南へ。



雌岳から雄岳と尼ヶ岳 L-M間
今度は雌岳の山頂近くのベンチまで登ってきました。振り返ると、左に大きく雄岳。右に整った
尼ヶ岳の姿が。このベンチから東に下るとおおぼらキャンプ場。ひとまずは山頂三角点へ。




山頂三角点とベンチ M
少し先に、三角点があります。三等三角点「大洞山」で、標高は984.80mです。正面の机のようなのは、円形の眺望案内板です。



高見山 M
再び高見山1248m。尼ヶ岳からの姿より、さらに尖った感があります。まさに関西のマッターホルン!?



局ヶ岳 M
そしてこちらは伊勢の槍ヶ岳、局ヶ岳1029m。



東への下り M-N間
一つ前のベンチまで戻り、ついに稜線と別れて東に下ります。



再び東海自然歩道へ N
おおぼらキャンプ場で東海自然歩道に出合います。ここで、北の尼ヶ岳方面へ。



石畳の道 O
東海自然歩道は、大洞山の東山腹をほぼ等高線に沿って巻いていきます。石畳の道がきれいです。



木の隙間から尼ヶ岳 P
また尼ヶ岳に近づいてきました。間もなく大洞山分岐Jです。



ジンジソウ P-J間
「大」の字に似たダイモンジソウに似ていますが、上の3枚の花弁がより小さく、「人」の字に近づいています。



尼ヶ岳の山頂トラバース Q
このあと、Jで行きのルートと合流し、倉骨峠I、大タワHを経て、尼ヶ岳の山頂分岐Gに達しま
した。そこで、行きのルートと別れて左を取ります。山頂をパスしてぐるり西へ回り込みます。




センブリ Q-R間
その後、Eまで戻って行きの道を帰っても良かったのですが、このあたりは尼ヶ岳探勝路と呼ばれる東海自然歩道の
バイパスがあります。帰途にはこれを使いました。Eまで行かずに尼ヶ岳の北西尾根に出たところでこれを下がります。
こちらにも階段がしっかりあり、行きの道に負けていません。途中、センブリの花が咲いていました。秋の美しい花です。




富士見峠 R
Rで、左から登ってきた道と合い、ここで高尾方面に下ります。ここ、富士見峠というそうです。



高尾への下り道 S
なかなか素晴らしい道でした。道標もしっかりあります。やがてBで、行きに渡った橋のところに出ました。


山行記録:日時−2013年10月13日、天候−晴れ。9:51 高尾の登山口駐車場@に駐車後出発、10:05 木橋B、10:23 最初の階段D、10:42自然歩道分岐E、10:51尼ヶ岳山頂F到着。11:04 山頂発、11:17 自然歩道合流G、11:27 大タワH、11:41 倉骨峠I、11:43 大洞山分岐J、11:55 四ノ峰Kにて昼食。12:02 四ノ峰K発、12:21 大洞山・雄岳L、12:42 大洞山・雌岳M着。休憩後、13:03 M発、13:17 おおぼらキャンプ場・自然歩道合流N、14:00 倉骨峠I、14:11 大タワH、14:27 分岐G、15:04 富士見峠R、15:29 駐車地@着。全行程14km、5h40m。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(倶留尊山)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。